平和・社会保障・環境・地域活動


SDHの視点

SDH(Social Determinants of Health)は、健康の社会的決定要因のことです。

病気や健康に作用する要因とは何でしょう?何が健康を決定するのでしょう?
個人の身体(臓器)・遺伝子、生活習慣など「生物学的要因」だけではありません。次のように大きく二つに分けられる「社会的要因」もあります。
生活習慣を整えるなどヘルスプロモーション(健康増進活動)を行なうにも、医療機関にかかるにも、就学・就労するにも作用する、個人の所得・家族状況・友人知人とのつながりといった「個人の社会・経済要因」。不公平な社会、社会的暴力、戦争など、政策や学校・職場・地域での人とのつながりといった「環境としての社会要因」。このように健康を決定づける様々な社会的要因をまとめてSDH(健康の社会的決定要因)と呼びます。

SDHの視点

WHOによる規定(1998年)

医療福祉生協として民医連として、その理念を指針とする東京保健生協は、第7次中期構想「いのちの格差是正」を計画。東京保健生協の質方針では「SDHの視点をもった職員の育成」を目標にかかげています。

貧困や生活環境が疾病や健康に作用する、つまり社会経済格差がもたらす健康格差の実態を明らかにし、解決のための活動を実践しています。


東京保健生協が実践している健康格差対策活動

SDHの視点をもって、東京保健生協が行っている健康格差対策活動を具体的にご紹介します。

  • 社会保障課題へのとりくみ

    • 無料低額診療事業

      無料低額診療事業とは、低所得者などに医療機関が無料または低額な料金によって診療を行う事業です。
      厚生労働省は、「低所得者」「要保護者」「ホームレス」「DV被害者」「人身取引被害者」などの生計困難者が無料低額診療の対象と説明しています。

      当法人では台東区の橋場診療所と練馬区の大泉生協病院で無料低額診療を行っています。どちらかの事業所窓口でご相談ください。

  • 地域へのとりくみ

    • 子ども無料塾

      東京保健生協の居場所よみせ通りいこいの家あおぞら虹のカフェで実施しています。子どもの居場所の機能に欠かせないのが学習支援です。

      半世紀にわたる地域医療活動の歴史を持つよみせ通り診療所の伝統と実績を活かして、多世代交流の居場所として活動を再開したよみせ通りいこいの家では、毎週火曜日と木曜日に教員OBの組合員ボランティアの協力で無料塾を実施しています。台東区子供育成活動支援事業の補助金を得て運営しています。
      対象は小学生、中学生です。ご利用に住所・所得の制限はありません。先生ボランティア、遊び指導員ボランティアを募集しています。

      子ども無料塾
      子ども無料塾
    • 子ども食堂

      子どもの貧困が問題となる中で欠かせない食事支援を目的に、東京保健生協の居場所よみせ通りいこいの家で実施しています。

      半世紀にわたる地域医療活動の歴史を持つよみせ通り診療所の伝統と実績を活かして、多世代交流の居場所として活動を再開したよみせ通りいこいの家では、台東区子供育成活動支援事業の補助金を得て組合員の調理ボランティアの協力で毎月2回第3火曜日と木曜日に実施しています。
      利用条件に住所・年齢・所得の制限はありません。ただし18歳以上の方からは200円をいただいています。子ども好きな方、お料理が好きな方のボランティアを募集しています。

      また、文京区社会福祉協議会主催の「子どものいる食堂」が、東京保健生協の居場所だんだんひろばで月1回開催されています。

      子ども食堂
      子ども食堂
    • フードバンク・フードパントリー

      当生協は協同組合として助け合いの取り組みを実践しています。フードバンク・フードパントリーは助け合いの取り組みの1つで、様々な事情で食事をはじめとする生活物資の確保に苦労されている方へ食料品などを無料でお配りします。
      当生協ではフードバンク・フードパントリーを5カ所で開催しております。生活にお困りの方はぜひ、ご利用ください。

      また、フードバンク・フードパントリーの取り組みに物資のご寄付・運営のお手伝いなどできる方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問合せ合わせください。

      お問合せ先:東京保健生協 組織部 / 電話 03-3947-7082

      フードバンク・フードパントリー
      フードバンク・フードパントリー
    • 居場所づくり

      東京保健生協の居場所は診療所のスペースを利用したり、組合員の自宅、公民館や空き家を借りたりして運営しています。

      お茶会・お食事会の人と人をつなぐ場になるだけでなく、健康に関する学習の場にもなっています。子ども食堂や無料塾を開催する居場所もあり、子どもから高齢者と幅広い層の方が参加しています。

      居場所づくり
  • 平和へのとりくみ

    • ヒロシマ平和行動

      被爆体験の継承や核兵器のない世界を求める思いを共有する場として、毎年8月に広島の「ピースアクションinヒロシマ」が開催されています。
      東京保健生活協同組合としてはそこへ組合員・職員合わせて10名程度の代表を送っています。カンパ活動も行っています。

      ヒロシマ平和行動
      ヒロシマ平和行動
    • KPP(憲法プライドプロジェクト)

      東京保健生協には、若手職員を中心に憲法のことを学び、大切さを拡げる活動を行う「KPP」という組織があります。
      KPPとは、正式名称:憲法プライドプロジェクト(Kenpo Pride Project)の頭文字を取ったもので、職員・組合員に知られています。

      主に、年に数回「憲法カフェ」を開催しており、その他にも署名行動へ参加、フィールドワーク、オリジナルグッズの作成を行っています。イメージキャラクターのKPPeaseちゃんは、とてもかわいく缶バッジやメッセージカードなど、あらゆるところに登場しています。

      KPP(憲法プライドプロジェクト)
      KPP(憲法プライドプロジェクト)