病気Q&A「冬場の血圧注意することは?」

回答者 東京健生病院 内科 岩下 直樹 先生

(聞き手 編集部)

Q 冬場は血圧に注意した方が良いと聞きますが、詳しく教えてください。

イラストA 寒くなる冬場は血圧が上昇することで脳卒中(脳梗塞や脳出血)や心筋梗塞、心不全などの危険性が高まる時期でもあります。
血圧が持続して高い状態を高血圧症と呼びます。高血圧の診断基準は収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上としています。高血圧自体には自覚症状がないことが多いですが、そのまま血圧高値の状態が長期間続くと脳血管や心臓など命に関わる病気につながります。こうした合併症が出現する前に食事療法や運動療法、生活習慣の改善(喫煙やアルコール摂取など)、薬物治療など治療を始めることが重要です

血圧は様々な要因で変動しますが、季節によっても変動することが知られており、特に冬場は以下の理由で血圧上昇が起りやすいと言われています。
寒さを感じると体温の発散を防ごうと交感神経が刺激され、末梢血管が収縮し血圧上昇します。
1日の中での血圧変動にも注意が必要です。寒暖差やストレスにさらされることが誘因となります。暖かい場所から急に冷たい場所に移動すると同様に交感神経が刺激されて末梢血管が収縮し血圧が上昇します。すでによく御存知だと思われますが、ヒートショックと呼ばれる『脱衣所と浴室』、『部屋とトイレ』との温度差には注意が必要です。また、冬の朝に外へ薄着のまま新聞を取りにいく、ゴミを出すなどのちょっとした外出にも注意が必要です。
対策としては、寒暖差ができるだけ起こらない様に外出される際には厚着をしていく、脱衣所などは十分にヒーターなどで温めておくことがあげられます。また、寒い場所に出る前には手足を動かす、その場で足踏みなどの軽い運動をすることもお勧めします。また、車の運転をされる方は車の運転自体がストレスの誘因となるとともに、車内は寒いので温めてから運転されるとよいと思います。

Q 注意するのは気温以外にもありますか?

A 鍋物など塩分の多い食事内容や忘年会・新年会など飲酒機会が多くなることも要因となります。また、運動不足で代謝が低下することで体重が増える(肥満)ことも要因となります。

今回は冬場の血圧に関して注意して頂きたい点を簡単にお話いたしました。新型コロナウイルス感染には留意されていらっしゃると思いますが、冬場になりインフルエンザ感染も増加してくる時期です。くれぐれもワクチン接種とともにうがい、手洗いなどの予防に御注意ください。
東京健生病院にて内科担当しております岩下が担当いたしました。