(聞き手 編集部)
コロナ禍、不安や外出自粛で多くの人が気持ちの落ち込みを感じていることがHPHアンケートから明らかになっています。
こんな時こそ認知症予防の生活習慣で心と体をリフレッシュ!認知症予防認定看護師の芝崎美千代さんにお聞きしました。
Q 基本はなんでしょう。
A 基本は(1)適度な運動(2)十分な睡眠と食事(3)家事や趣味、社会活動などの知的活動 になります。感染症予防のため自粛生活をせざるを得ない状況でこれまでとは異なる日常の中で自宅で出来る認知症予防について具体的な方法を見ていきましょう。
適度な運動(身体を動かしながら何かを考える)
散歩しながら昨日や今日、3日前の出来事を思い出す。
ラジオ体操をしながら一人しりとり、季節の花の名前を言う、47都道府県を北から言う、暗算をする。
身体の動きを思い出しながら体操をし音楽も聴き、しりとりをすることで脳はフル回転です。
畳の生活の方は縁を踏まずに歩いてみる。
無意識に歩いていた室内を何かを意識することでいつもと違う脳を動かすことができます。
十分な睡眠と食事
脳の状態を良好に保つことは認知症予防には有効です。栄養不足では脳は十分に機能することができなくなります。そのような状態で運動や脳トレをしても十分な効果を得ることはできません。
買い物脳トレ
朝、新聞を開きスーパーの広告が入っていれば、財布に1000円入っているとして198円のトマト、168円の牛乳、598円のお肉を買えば合計はいくらでおつりはいくらでしょう。いくら持っていたか、何を買ったかなど、多くのことを同時に覚えておく必要があり脳トレに通していますし、広告を使えば手軽に行えます。
好きな歌1曲を完璧に暗記して歌う
自分が大好きな歌の歌詞を全部覚えていますか?例えば「どんぐりころころ」という童謡ですが「どんぐりころころどんぶりこ」という歌詞ですが「どんぐりころころどんぐりこ」と歌っていませんか。幼いころに耳で聞きとり脳に記憶している歌詞がもしかしたら間違っているかもしれません。1曲でいいので完璧に歌える曲をつくってみませんか。
Q うつるのではないか、うつすのではないか、不安です。
A 不安を減らすセロトニン増加作戦感染への不安、生活の不安、認知症を含む健康への不安、私達の日常は不安の毎日です。その不安を少しでも減らせないか…セロトニンのお話もさせてください。
セロトニンは神経伝達物質で感情をコントロールする役割りを果たしています。私達が何らかの刺激を受けて脳にドーパミンという物質が分泌されて気分が高揚し興奮したり、逆にノルアドレナリンという物質が分泌されると不安や恐怖を感じたりします。そんな時行過ぎた興奮や、気分の落ち込みを抑えてくれ心の安定を図ってくれるのがセロトニンです。
セロトニンのはたらきには、不安やイライラを和らげ心の安定を図るほかに睡眠の質の向上、やる気アップ、集中力アップにもつながることができると言われています。しかし、不安が長期化するとセロトニンが分泌されにくくなります。ちょっと意識することでセロトニンを出やすくすることができます。
セロトニン分泌するために
「日光を浴びる」外出を控えている日常ですが外に出なくても室内のなるべく日光があたる場所で過ごすようにこころがけましょう。
呼吸(複式呼吸)歌をうたう時、笑うときお腹から声をだしてみる。
この2つを同時に行うには腹式呼吸をしながらの散歩をお薦めします。
呼吸の方法は〝フッフッフッと3回吐いて大きく1回吸う〟お腹を意識して呼吸してください。
マスクを着用しながらの呼吸にも少しずつ慣れつつある日常ですので苦しくならないようにしましょう。
不安なのは自分一人ではない、皆同じです。周囲の方に頼ったり、正しい情報を得ることでこの状況を乗り切りましょう。