病気Q&A「新型コロナワクチンについて 効果と副反応

回答者 看護部長 高野 好枝

(聞き手 編集部)


新型コロナウイルスワクチンの住民接種が始まり、打った方がよさそうだけど、副反応のことを考えると心配…。どうしたらいいのかという質問をいただきます。
今回はワクチン接種の効果と副反応について説明します。

Q ワクチン接種の効果は?

A ワクチン接種の効果は、コロナから自分の身を守り、周りの人を守ることです。その理由は
(1)コロナを発症するリスクが減り、
(2)もし発症しても重症化しにくく、
(3)コロナに感染すること、そのものを防ぐ効果がある
からです。

具体的には接種しない場合より、発症のリスクは1/20低下すると言われています。また、インフルエンザでも経験があるかもしれませんが、接種すると罹っても軽くすんだということはよく聞きます。
また、コロナに感染することと、発症することは同じのようで違います。今回の感染の広がりはコロナに感染しても何の症状も出ず、人に移すことが要因の一つでした。そのため感染自体を防ぐことは、知らず知らずのうちに周りの人に移す可能性が低くなるということです。これは一日も早いコロナの収束にはとても大切なことです。

Q もしも副反応が出た場合はどうすればいいですか?

A コロナワクチンに限らず副反応の起こらないワクチンはありません。そのため頻度や程度、対処を知っておくことが大切です。

よく聞かれるのがアナフィラキシーと呼ばれるアレルギー反応。蕁麻疹じんましんや息苦しさなど急激に起こる過敏反応で、適切な対応が必要です。頻度100万回に2.5〜4.7回程度。この症状を監視するために接種後30分程度観察をしています。この症状はコロナワクチンだけでなく他のインフルエンザワクチンでも報告されています。
他、局所症状と全身症状があり、局所では接種部位の痛みや腫れ、全身では頭痛、倦怠感、発熱等があります。副反応は1回目と2回目の症状の出方に違いがあります。
1回目の症状出現は局所が多く、接種部位の痛みや腫れです。これは数日で良くなります。
2回目接種では半数以上で全身の何らかの症状が出現します。多いのは発熱、倦怠感、頭痛。ただ、これも接種翌日に出現し1〜2日程度で治ることが多いです。特徴的なところでは、若い世代の出現率が高く、女性がやや多めです。

(詳しくは「新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査」をご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkoujoukyoutyousa.html

新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査(厚生労働省HP 2021年6月24日閲覧)
新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査(厚生労働省HP 2021年6月24日閲覧) 順天堂大学 コロナワクチン研究事務局

Q ワクチンを打つにあたって注意することは?

A 注意点は持病や服薬をしている方はそのことを接種前の問診で医師や看護師へ知らせること、接種後は激しい運動や飲酒は避けることです。