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赤ちゃんからの減塩、血圧に長く影響

大泉生協病院 管理栄養士 垣内 早苗

高血圧を引き起こす原因の1つは塩分のとりすぎです。
赤ちゃんのときの食塩摂取量と血圧の関係を調べた海外の研究があります。新生児を2つのグループに分け、グループAは普通のミルクや離乳食で育て、グループBは塩分を3分の1に減らしたミルクや離乳食で育てました。6か月後、赤ちゃんの血圧を測定すると、減塩をしたグループBは、普通の塩分を与えたグループAより血圧が低くなっていました。

さらに15年後も、減塩をしたグループBは、上の血圧(収縮期血圧)、下の血圧(拡張期血圧)どちらも、グループAより低いこともわかりました。子どものうちから減塩になれておくことは、食塩の摂りすぎを防ぎ、大人になってからの高血圧の発症予防につながる可能性があるという結果でした。

表1は、子供の塩分の目標値(1日)ですが、実際の塩分摂取量は、1〜6歳 平均5.4g、7〜14歳 平均8.9gと多く、大人並みに取りすぎている子もいるようです。

子供の食生活や味の好みは、家庭の味付けなど親の食習慣の影響を受けて形成されるといわれています。親がスナック菓子やカップ麺をよく食べる家庭は、子どもの食塩摂取量が多くなる傾向もみられます。子供の味覚や食習慣を決定づけるのは、周りにいる大人です。

子どもの減塩には、まず周囲の大人が減塩に心がけることが大切です。

表1

年齢 目標塩分量(g)
1〜2歳 3.0未満
3〜5歳 3.5未満
6〜7歳 4.5未満
8〜9歳 5.0未満
10〜11歳 6.0未満
2〜14歳 男7.0未満、女6.5未満
出典: 日本人の食事摂取基準2020年度版、令和元年国民健康栄養調査、「きょうの健康」2018.12月号 P42