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病気Q&A「コロナ禍こそフレイル予防」

組織部 理学療法士 寺岡 かおり さん
回答者 組織部 理学療法士 寺岡 かおり さん

(聞き手 編集部)

Q コロナ禍で外出や人との交流を控えることで、健康へのリスクはどの程度予想されるのでしょうか。

A 新型コロナウイルス感染症対策での外出自粛が長期化すると、感染を防ぐメリットと共に、人との交流が減ることによる弊害が増えることが懸念されます。
日本のこれまでの研究では、閉じこもりや人との交流が減ることが認知症の発症や要介護リスクの増大に影響を与えることが分かっています。例えば運動時間や外出頻度・社会交流が少ない、自主的グループの会への参加がない、仕事・家事をしていないといった高齢者は、3年間で要支援以上の要介護認定を受けやすいという結果が示されています。

東京保健生協では地域在住高齢組合員213名を対象にコロナ禍における運動・生活習慣の調査を行いました。その結果、総運動時間は自粛前は1日33.6分(週235分)だったのが、自粛中は1日17.1分(週120分)まで減少していました(週115分減少)。また、「週1回以上外出していますか?」では、「いいえ」と答えた人が全体の2.3%から11.7%まで増加、「昨年に比べて外出の回数が減っていますか?」では、「はい」と答えた人が全体の20.2%から71.4%にまで増加していました。班会などへの参加がない人の割合も96.6%となっていました。これらは、コロナ収束後に「要介護状態に陥る高齢者が増加する」ことにつながりかねません。

総運動時間【中央値】
総運動時間【中央値】

週に1回以上外出していますか? 「いいえ」
週に1回以上外出していますか?「いいえ」

昨年と比べて外出の回数が減っていますか? 「はい」
昨年と比べて外出の回数が減っていますか?「はい」

Q 毎日をどのように過ごせばよいでしょうか?

A 厚生労働省では、感染リスクの低下や体力維持のために自宅内での運動を進めていますが、同時に社会交流の制限による要介護や認知症リスクなどのデメリットもあります。
感染症対策をしっかり行いつつ、人との交流、社会参加の機会を作りましょう。例えば、電話やメール、ラインなどのビデオ通話などで他者との交流を続けることや気分転換を兼ね、人込みを避けたウォーキング、少人数での歩こう班会への参加などをお勧めします。
現在、運動を中心としたオンライン保健講座を開催しています(詳しくは組織部までお問い合わせください。電話:3947―7082)。今後は、現地での少人数開催に加え、オンラインでの配信を行うなどのハイブリッド型(現地開催+オンライン配信)を考えています。

「恐れ過ぎを恐れよう!コロナもロコモもフレイルも!」を合言葉に、組合員一丸となってコロナ禍を乗り越えましょう。

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