東京保健生活協同組合では、2021年10月〜12月にかけて組合員を中心にフレイルチェックを行いました。フレイルチェック5項目 ー (1)体重減少 (2)筋力低下 (3)疲労感 (4)歩行速度の低下 (5)運動習慣なし ー を性、年齢別(前期・後期高齢者)で調査し、フレイル有症率を算出しました。
分析対象
文京、練馬、台東、中央の協議会で行われている班会などの組合員活動の参加者232人より、データ欠損の無い214人(平均年齢78.3歳、男性24人(11%)、女性190人(89%))
※ フレイルの有症率は、フレイルチェック5項目の内3項目以上を満たすもの
調査の対象者は元気高齢者が多かった
フレイルの有症率は、全体で7.9%、男性で8.3%、女性で7.9%、前期高齢者では3.5%、後期高齢者は9.6%でした。厚生労働省で2019年に行われた「高齢者の筋肉減弱(サルコペニア)およびフレイル(虚弱)」に関する調査では、身体的フレイルの有症率が65―74歳で4.2%、75―79歳で15%であることから、調査対象の組合員は比較的元気な高齢者が多い可能性が考えらます。
次に、フレイルの有症率を男女別、前期・後期高齢者別で比較しました。フレイル有症率は、前期高齢者と後期高齢者とでは約3倍もの差が見られましたが、統計的には有意な差は見られませんでした。
後期高齢者は体重減少と筋力低下が顕著
フレイルチェック項目では、男女別は有意な差は見られませんでしたが、前期高齢者と後期高齢者では、(1)体重減少(p = 0.043)、(2)筋力低下(p = 0.003)で有意な差が見られました。以上の結果から、フレイル予防のためには、栄養改善と筋力増強トレーニングの積極的なアプローチが必要であると考えます。
写真にあるワイドスクワットやオンライン保健講座(YouTube 東京保健生協チャンネル)をご活用ください。
新型コロナウイルス感染拡大により2月末から5月末まで長い自粛期間を余儀なくされました。初めて経験したこの感染拡大が、私たちの暮らしや健康にどんな変化をもたらしたのかを知るために、法人のHPH推進委員会は組合員・患者・利用者・職員アンケートを実施しました。(期間:8月1日〜9月30日)
回答は552名(9/25時点)で、男性134名、女性398名でした。構成は組合員251名、患者25名、利用者20名、職員231名です。年齢は20代〜80代以上と幅ひろく70代が135名と一番多い回答です。
「暮らしのお困りごとや不安なこと」の設問には、コロナ禍で一人暮らしをする不安や、体調管理に対する不安、通勤や通学時に感染しないか、子どものストレスが高まっていることへの不安など多くの意見が寄せられました。今後更に分析を行い、今後の生協活動、事業所活動に生かしていきます。東京保健生協では現在ささえあい増資第二期として地域の「困った」の解決に取り組んでいます。「お困りごと」がありましたら事業所・組織部にお寄せください。
コロナ以前に生活様式を戻すことは難しいと思います。しかし人と人とのつながりは重要です。新しいつながりを工夫して作り、共有していきましょう。
● コロナ自粛前と比べての体重の変化
● 自粛期間中の運動は?
● コロナ自粛期間中困ったことは?
● ご本人やご家族の仕事の変化はありましたか?
その他回答より抜粋
リモートワークが増え育児(保育園が休園のため)との両立が大変だった
在宅勤務になり、食事も外食からお弁当を作ることになり負担が増えた
同居者が在宅勤務になった
40代の同居家族の夏のボーナスカット(子育て中のためショックのようです)
息子が在宅勤務になり居間で仕事をしているので、非常に疲れた
● コロナ自粛中からコロナ後の精神状況はどうですか?
その他回答
他人とのおしゃべりの自粛を心がけたために、フレイル状態が加速するのではと気になった
体調最悪。息苦しく、心臓ドキドキ足だるくしびれ等あり
コロナ対策について論争する事が多い
考え事が多くなり不安になることがある
睡眠中に食いしばりが激しくなった
今は乗り越えた気分。腎臓病のクレアチニン値が高くなった
毎日外出できなくて閉塞感があった
その他暮らしのお困りごとや不安なことなど
● 日常生活動作
日常生活 |
Q1. バスや電車で1人で外出していますか(自家用車でも可) |
---|---|
Q2. 日用品の買い物をしていますか |
|
Q3. 預貯金の出し入れをしていますか |
|
Q4. 友人の家を訪ねていますか |
|
Q5. 家族や友人の相談にのっていますか |
|
運動 |
Q6. 階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか |
Q7. 椅子に座った状態から何もつかまらずにたちあがっていますか |
|
Q8. 15分くらい続けて歩いていますか |
|
Q9. この1年間に転んだことがありますか |
|
Q10. 転倒に対する不安は大きいですか |
● 外出(閉じこもり傾向)
栄養 |
Q11. 半年間で2〜3kg以上の体重減少がありましたか |
---|---|
Q12. 身長と体重をお答えください |
|
口腔 |
Q13. 半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか |
Q14. お茶や汁物等でむせることがありますか |
|
Q15. 口の渇きが気になりますか |
|
外出 |
Q16. 週に1回以上は外出していますか |
Q17. 外出の回数が減っていますか |
● こころ(うつ傾向)
物忘れ |
Q18. 周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあるといわれますか |
---|---|
Q19. 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか |
|
Q20. 今日が何月何日かわからない時がありますか |
|
こころ |
Q21. 毎日の生活に充実感がない |
Q22. これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった |
|
Q23. 以前は楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる |
|
Q24. 自分が役に立つ人間だと思えない |
|
Q25. わけもなく疲れたような感じがする |
● 笑顔とうつ傾向
「自粛期間中に笑顔でいられたかどうか」という質問です。自粛期間中、前向きに生活できたかどうかを主観的に評価する項目ですが、うつ傾向の評価合計点と相関があり、「いつも笑顔でいられた」、「時々笑顔で入られた」、「笑顔でいられなかった」の順にうつ傾向が強くなる傾向にありました。
● 東京保健生協との関係と自粛前後のうつ係数の変化
コロナ前と自粛中のうつ傾向のポイント合計点の差を、東京保健生協との関係別に比較したのが以下のグラフです。数値が大きいほど、コロナ以前に比べてより強く精神的な影響を受けたと考えられます。数値の大きい順に、職員〉組合員〉その他(民商)〉患者・利用者となっており、直接感染リスクにさらされた職員への影響が強かったことがうかがわれました。
実態調査票回収期間
2017年11月1日(水)~2018年2月10日(土)
実態調査票
実態調査票は、生協だより2017年11月号に掲載されています。実態調査票PDFを印刷したものもご利用いただけます。
調査目的は
わたしたちは、今年の総代会で第7次中期構想~ヘルスプロモーションのあるまちすこやかに生きる~の実践に取り組むことを決定しました。それは東京保健生協らしい「地域包括ケア」づくりをめざすことを目標にしています。地域の人々が支え合うまちづくりです。
その実践を進めていく上で、現状での組合員さんの生活や暮らし向き、生活していく上での不安に思っていること、ご近所付き合いの程度、東京保健生協の医療・介護サービスの利用状況と満足度などを掌握、分析することにしました。
専門家の指導のもと実施
調査は専門家の指導をお願いしました。地域福祉の第一人者で、全国の自治体の実態調査も数多く携わられています、明治学院大学の河合克義先生のご協力をいただけることになりました。調査票の作成、分析、まとめにもご参加いただくことになりました。
プライバシー保護に配慮
調査に当たっては、個人のプライバシーを厳守する立場で、実態調査票は、すべて封筒に入れていただき、密封した状態でのご返送をお願いしております。開封につきましても、特定の者だけが取り扱うようにします。
調査票の回収方法は
返信用封筒で本部事務局へ直接返送いただく方法と、地域の支部組合員さんや、機関紙配付者にお渡しいただくか、地域によっては直接ご自宅にお伺いして回収することも計画しています。また、事業所をご利用の際に職員がお願いする場合もあります。
結果のまとめと活用は
結果の集約は2018年4月末までにまとめる予定です。区ごとの集計や、性別、年齢別にまとめます。分析とまとめは、専門家の援助のもとおこないます。まとめられた結果については、機関紙やホームページで公表し発表します。また、学会や研究会でも発表いたします。同時に東京保健生協第7次中期構想実践上の課題の参考にしてゆきます。また、出された要望を今後の東京保健生協の事業計画にも取り入れていきます。
趣旨をご理解いただき調査へのご協力をお願いします。
明治学院大学
河合克義 教授
私は、高齢者の貧困と孤立の現実を、全国の多くの地域調査を通して分析してきました。調査結果と現実を比較して痛感してきたことは、福祉政策が高齢者の生活実態と距離があるということです。時には、実態を見ないどころか、逆に政策が問題を作り出すことさえあります。
では、国民の立場に立っている民間団体・運動団体は、どのように国民の声を聞いてきたのでしょうか。問題を抱えている人ほど、我慢し、声を上げない傾向があることです。その現実に迫るのは容易ではありません。
調査は、普段気がつかない「声なき声」を聞く有効な手段です。今回の組合員調査を通して、弱い立場の人びとにとっての健康で明るいまちをつくるための活動・運動のあり方を組合員みんなで考え、行動したいものです。それが、生活の予防につながるのです。
調査対象
調査対象は、2017年10月1日現在で東京保健生協の組合員として登録している53,076人のうち、訪問または郵送にて生協だよりの配布を受けている32,005人です(図1)。
回収数、回収率
本調査の有効回収数は4,071ケースで、有効回収率は12.7%でした。
結果のまとめ
おもに、調査回答者の特徴、生活・経済状況、社会的ネットワーク、東京保健生協に関わる状況等について、基本集計とクロス集計の結果を整理して見てゆきます。
性別・年齢
調査回答者(4,071人)のうち、男性が29.0%、女性が69.2%でした(図2)。
世帯類型別に見ると、ひとり暮らし世帯では、男性が2割、女性が8割で、女性の割合が高くなることが特徴です。
夫婦世帯では、男性が4割、女性が6割、2世代・3世代世帯では、男性が3割弱、女性が7割強でした。年齢は、70代が33.2%と3割強を占めており、全体の9割が60歳以上です。平均年齢は72.6歳でした(図3、表1)。
表1:世帯類型(3区分)×性別 ※無回答は集計から除く
|
1人暮らし |
夫婦のみ |
二世代(親子) |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
男性 |
229 |
19.3 |
503 |
41.4 |
397 |
27.7 |
1,129 |
29.4 |
女性 |
960 |
80.7 |
711 |
58.6 |
1,037 |
72.3 |
2,708 |
70.6 |
合計 |
1,189 |
100.0 |
1,214 |
100.0 |
1,434 |
100.0 |
3,837 |
100.0 |
ひとり暮らし世帯の平均年齢は75.3歳、夫婦のみ世帯では73.6歳、二世代・三世代世帯では69.4歳でした。また、東京保健生協活動に参加している人については、男性が23.5%、女性が76.5%で、女性の割合が高く、平均年齢は72.6歳でした(表2)。
表2:生協活動参加有無×同居相手 ※無回答は集計から除く
|
参加している |
参加していない |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
1人暮らし |
523 |
30.3 |
605 |
29.0 |
1,128 |
29.6 |
夫婦のみ |
530 |
30.7 |
636 |
30.5 |
1,166 |
30.6 |
二世代(親子) |
526 |
30.4 |
655 |
31.4 |
1,181 |
31.0 |
三世代(親子系) |
89 |
5.2 |
98 |
4.7 |
187 |
4.9 |
その他 |
60 |
3.5 |
90 |
4.3 |
150 |
3.9 |
合計 |
1,728 |
100.0 |
2,084 |
100.0 |
3,812 |
100.0 |
家族・住宅
家族構成は、一人暮らし世帯、夫婦のみ世帯、二世代世帯が3割ずつで分布し、ほか、三世代で同居している人が5.0%でした(図4)。
住宅の種類は、「持ち家(一戸建て)」が最も多く61.7%を占め、次いで「持家(分譲マンション)」が2割弱であり、一戸建てとマンションを合わせて、持ち家に住む人が8割でした。一方で、およそ1割半強の人は、民間や公営の賃貸住宅に住んでいます(表3)。住宅の種類について、ひとり暮らし世帯は、一戸建てと分譲マンションを合わせて、持ち家に住む人は67.1%で、他の世帯類型に比べてその割合が低くなっています。その反面、民間や公営の賃貸住宅に住む人の割合が3割弱にのぼり、他の世帯類型に比べて高くなっています。
表3:世帯類型(2区分)×住宅の種類 ※無回答は集計から除く
|
1人暮らし |
夫婦のみ |
二世代(親子) |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
持ち家(一戸建て) |
562 |
46.4 |
773 |
62.8 |
1,066 |
73.6 |
2,401 |
61.7 |
持ち家(分譲マンション) |
251 |
20.7 |
260 |
21.1 |
219 |
15.1 |
730 |
18.8 |
民間の賃貸住宅 |
178 |
14.7 |
70 |
5.7 |
81 |
5.6 |
329 |
8.5 |
都営・区営住宅 |
137 |
11.3 |
84 |
6.8 |
45 |
3.1 |
266 |
6.8 |
都市再生機構(UR)等の公営賃貸住宅 |
34 |
2.8 |
32 |
2.6 |
18 |
1.2 |
84 |
2.2 |
社宅・公務員住宅・管理人住宅 |
11 |
0.9 |
1 |
0.1 |
4 |
0.3 |
16 |
0.4 |
高齢者用住宅 |
11 |
0.9 |
1 | 0.1 |
0 |
0.0 |
12 |
0.3 |
その他 |
26 |
2.1 |
10 |
0.8 |
16 |
1.1 |
52 |
1.3 |
合計 |
1,210 |
100.0 |
1,231 |
100.0 |
1,449 |
100.0 |
3,890 |
100.0 |
健康状況
健康状態については、およそ4割の人が健康であり、38.0%の人が普通、23.3%の人が健康ではないと回答しています(図5)。
介護保険サービスを利用している人の割合は11.1%、65歳以上に限定すると13.1%でした。要介護度は、要支援1が最も多く38.0%、次いで要支援2が17.3%で、「要支援」の人が5割半を占めています。東京保健生協の活動に参加している人は、健康であると感じる人の割合が41.5%と4割程度ですが、参加していない人では36.1%とやや低くなっています。生協活動に参加している人の方が、健康状態が良い方に寄っています。また、介護保険サービスについては、生協活動に参加している人の方が利用率がやや低いことがわかりました(表4)。
表4:生協活動参加有無×健康状態 ※無回答は集計から除く
|
1人暮らし |
夫婦のみ |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
良い |
246 |
14.3 |
267 |
12.9 |
513 |
13.5 |
まあ良い |
467 |
27.2 |
481 |
23.2 |
948 |
25.0 |
普通 |
635 |
37.0 |
821 |
39.6 |
1,456 |
38.4 |
あまり良くない |
298 |
17.4 |
408 |
19.7 |
706 |
18.6 |
良くない |
70 |
4.1 |
95 |
4.6 |
165 |
4.4 |
合計 |
1,716 |
100.0 |
2,072 |
100.0 |
3,788 |
100.0 |
職業
最も長く従事した職業については、「民間企業の正社員」が最も多く33.8%、次いで「自営業(家族従業員を含む)」が20.2%でした。専業主婦・主夫は12.2%でした。
外出頻度・交通手段
日頃の外出頻度は、「ほとんど毎日」外出する人が46.8%、「週に4、5日」外出する人22.6%で、よく外出する人がおよそ7割にのぼっています。
「週に2、3回」は19.6%で2割程度でした。「ほとんど外出しない」人は5.2%でした。(図6)
世帯類型別には、一人暮らし世帯について、外出頻度が低い傾向にあることがわかりました。一人暮らし世帯では、よく外出する人の割合が67.2%であったのに対して、夫婦のみ世帯では75.0%、二世代・三世代世帯では75.4%でした。(表5)
表5:世帯類型(3区分)×外出頻度 ※無回答は集計から除く。X2=43.109 自由度=8 p=0.000** **p<0.01
|
1人暮らし |
夫婦のみ |
二世代(親子) |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
ほとんど毎日 |
489 |
42.4 |
593 |
50.0 |
750 |
53.6 |
1,832 |
49.0 |
週に4、5回 |
286 |
24.8 |
296 |
25.0 |
305 |
21.8 |
887 |
23.7 |
週に2、3回 |
278 |
24.1 |
222 |
18.7 |
253 |
18.1 |
753 |
20.1 |
ほとんど外出しない |
68 |
5.9 |
61 |
5.1 |
70 |
5.0 |
199 |
5.3 |
その他 |
31 |
2.7 |
13 |
1.1 |
22 |
1.6 |
66 |
1.8 |
合計 |
1,152 |
100.0 |
1,185 |
100.0 |
1,400 |
100.0 |
3,737 |
100.0 |
生協活動への参加有無別には、活動に参加している人の方が外出頻度が高い傾向にあります。よく外出する人の割合は、生協活動に参加している場合には77.3%でしたが、参加していない場合では69.2%でした。(表6)
表6:生協活動参加有無×外出頻度 ※無回答は集計から除く。X2=46.974 自由度=4 p=0.000** **p<0.01
|
参加している |
参加していない |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
ほとんど毎日 |
844 |
51.0 |
965 |
47.8 |
1,809 |
49.2 |
週に4、5回 |
436 |
26.3 |
432 |
21.4 |
868 |
23.6 |
週に2、3回 |
303 |
18.3 |
440 |
21.8 |
743 |
20.2 |
ほとんど外出しない |
50 |
3.0 |
144 |
7.1 |
194 |
5.3 |
その他 |
23 |
1.4 |
37 |
1.8 |
60 |
1.6 |
合計 |
1,656 |
100.0 |
2,018 |
100.0 |
3,674 |
100.0 |
外出時の主な交通手段としては、「徒歩」(69.0%)や「自転車」(42.6%)が多く、また、「バス」(45.2%)や「電車」(46.8%)など公共交通機関の利用も多くなっています。
一方で、「自家用車」(13.1%)や「タクシー」(8.4%)は1割前後でした。(図7)
世帯類型別には、一人暮らし世帯では「自転車」(27.6%)と「自家用車」(5.7%)が他の世帯類型に比べて少なく、「タクシー」(10.8%)がやや高いことが特徴です。一人暮らしであり、年齢も高めであることを考慮すると、自転車や自家用車の運転を控えていることも考えられます。また、夫婦のみ世帯や二世代・三世代世帯では、交通手段としての「自家用車」には、家族による運転も含まれると 考えられます。(表7)
表7:世帯類型(3区分)×外出時の主な交通手段(複数回答) ※無回答は集計から除く。X2=332.946 自由度=18 p=0.000** **p<0.01
|
1人暮らし |
夫婦のみ |
二世代(親子) |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
徒歩 |
835 |
71.9 |
803 |
67.8 |
943 |
67.3 |
2,581 |
68.9 |
自転車 |
321 |
27.6 |
590 |
49.8 |
691 |
49.3 |
1,602 |
42.8 |
バイク |
11 |
0.9 |
33 |
2.8 |
27 |
1.9 |
71 |
1.9 |
自家用車 |
66 |
5.7 |
199 |
16.8 |
229 |
16.3 |
494 |
13.2 |
バス |
622 |
53.6 |
515 |
43.5 |
567 |
40.4 |
1,704 |
45.5 |
タクシー |
125 |
10.8 |
84 |
7.1 |
103 |
7.3 |
312 |
8.3 |
電車 |
576 |
49.6 |
532 |
44.9 |
664 |
47.4 |
1,772 |
47.3 |
電動いす、シニアカー |
15 |
1.3 |
7 |
0.6 |
11 |
0.8 |
33 |
0.9 |
その他 |
36 |
3.1 |
18 |
1.5 |
35 |
2.5 |
89 |
2.4 |
収入と経済状況
収入について、世帯の年間収入は「200万円以上400万円未満」が最も多く、33.3%とおよそ3分の1を占めています。
年間収入が400万円以上の世帯は26.4%で、全体のおよそ4分の1程度、年間収入が200万円未満の世帯は31.2%とおよそ3割を占めています。(図8)
世帯類型別に見ると、一人暮らし世帯の収入が全体的に低い。一人暮らし世帯では、年間収入が200万円未満の世帯が59.0%とおよそ6割にのぼり、「200万円以上400万円未満」が30.2%、400万円以上は10.7%とおよそ1割でした。夫婦のみ世帯では、年間収入が200万円未満の世帯は22.4%で、一人暮らし世帯に比べて大幅に低くなっています。「200万円以上400万円未満」は44.6%、400万円以上は3.32%でした。二世代・三世代世帯では、年間収入が200万円未満の世帯は22.9%で、夫婦のみ世帯とほぼ同程度でした。「200万円以上400万円未満」は35.2%、400万円以上は41.8%と4割を占めています。一人暮らし世帯は、世帯類型のうち世帯人員が最も少なく、夫婦のみ世帯、二世代・三世代世帯になるにつれ、世帯人員が増える。このことも、年間収入の多寡に関わっていると考えられます。(表9)
表9:世帯類型(3区分)×世帯の年間収入 ※無回答は集計から除く。X2=603.006 自由度=14 p=0.000** **p<0.01
|
1人暮らし |
夫婦のみ |
二世代(親子) |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
50万円未満 |
41 |
3.7 |
15 |
1.3 |
23 |
1.7 |
79 |
2.2 |
50万円以上100万円未満 |
143 |
13.0 |
40 |
3.6 |
56 |
4.2 |
239 |
6.7 |
100万円以上150万円未満 |
244 |
22.1 |
70 |
6.2 |
94 |
7.1 |
408 |
11.5 |
150万円以上200万円未満 |
223 |
20.2 |
126 |
11.2 |
131 |
9.9 |
480 |
13.5 |
200万円以上400万円未満 |
333 |
30.2 |
502 |
44.6 |
466 |
35.2 |
1,301 |
36.6 |
400万円以上700万円未満 |
86 |
7.8 |
271 |
24.1 |
309 |
23.4 |
666 |
18.8 |
700万円以上1,000万円未満 |
24 |
2.2 |
65 |
5.8 |
130 |
9.8 |
219 |
6.2 |
1,000万円以上 |
8 |
0.7 |
37 |
3.3 |
114 |
8.6 |
159 |
4.5 |
その他 |
1,102 |
100.0 |
1,126 |
100.0 |
1,323 |
100.0 |
3,551 |
100.0 |
なお、世帯の経済状況の感じ方については、半分以上の人が「余裕はないが生活していくには困らない」と回答しており、世帯類型別に見ても差はありませんでした。(図9)
家族とのつながり
同居していない家族との連絡頻度については、「ほぼ毎日」(13.4%)と「週に1、2回」(24.9%)を合わせて、週に1回以上の人がおよそ4割を占めています。(図10)
同居していない家族と会う頻度については、「ほぼ毎日」(7.6%)と「週に1、2回」(12.2%)を合わせて、週に1回以上会っている人はおよそ2割程度にとどまっています。一方で、「年に数回」が35.5%と最も高く、連絡を取り合う頻度よりも、会う頻度の方が少なくなっていることがわかりました。世帯類型別には、ひとり暮らし世帯は他の世帯類型に比べて、家族との連絡頻度や会う頻度が高くなっています。夫婦のみ世帯はそれよりも頻度が低く、二世代・三世代世帯は、さらに夫婦世帯よりも頻度が低くなることがわかりました。
友人関係
日頃親しくしている友人は、83.7%が「いる」と回答し、「いない」と回答した人は11.4%でした。その友人と連絡を取り合う頻度については、「ほぼ毎日」が12.5%、「週に1、2回」が34.4%で、友人と週に1回以上会う人の割合が46.9%と、4割半程度でした。(図11)
世帯類型別に見ると、ひとり暮らし世帯では、週に1回以上連絡を取り合う人の割合が56.1%、二世代・三世代世帯では48.6%と半分以上あるいは半分近い割合を占めています。夫婦のみ世帯では、その割合が41.5%とやや低くなっていることがわかりました。生協活動への参加有無別には、親しい友人の有無について差が見られます。生協活動に参加している人は、親しくしている友人が「いる」人が93.2%にのぼり、参加していない人の83.8%と比べて10ポイント近い差が見られました。また、連絡を取り合う頻度については、週に1回以上連絡を取り合う人の割合が、生協活動に参加している人では54.6%と5割半を占めたのに対して、参加していない人では42.3%と4割にとどまっています。生協活動に参加している人は、親しくしている友人がいる人の割合が高く、よく連絡を取り合っていることがわかりました。
近所づきあい
近所づきあいの程度については、 「あいさつをかわす」程度の人が4割弱で最も高くなっています。「互いの家をよく行き来する」(4.7%)と「ときどき行き来する」(12.4%)を合わせて、親密に近所づきあいをする人の割合は17.1%と2割弱にとどまっています。また、「ほとんどつきあいがない」人は7.6%でした。(図12)
世帯類型別には、ひとり暮らし世帯では、互いに行き来をするなど親密に付き合う人の割合が高く、22.1%である一方で、「ほとんどつきあいがない」人の割合も、他の世帯類型に比べて高く、1割を占め、夫婦のみ世帯と二世代・三世代世帯は似通った傾向を示し、「あいさつをかわす」程度の付き合いの人が4割を超えています。
近所づきあいの程度については、生協活動への参加有無によっても差が見られました。生協活動に参加している人は、互いに行き来をするなど親密に近所づきあいをしている人の割合が22.3%であるが、参加していない場合には14.4%でした。
日常生活上の困りごとを手伝ってくれる人
日常生活で困ったことがあった場合に、誰に手伝ってもらうかについては、「配偶者」(43.5%)と「子ども(子どもの配偶者、孫を含む)」(53.9%)が圧倒的に高い割合を占め、ほか、「兄弟・姉妹」が13.1%でした。家族に手伝ってもらう人が多いことがわかります。家族以外では、「友人・知人」が16.0%を占めており、「近所の人」(9.0%)とともに、手伝ってくれる人として挙げられていました。
生協関係では、「生協の組合員」が2.0%(47ケース)、「生協の事業所職員」が0.6%(24ケース)でした。「手伝ってもらう人がいない」と回答した人は5.5%、209ケースでした。
世帯類型別には大きく差が現れました。ひとり暮らし世帯では、手伝ってもらう相手として「配偶者」という回答がわずか1.2%であり、「子ども(子どもの配偶者、孫を含む)」が最も高く46.4%でした。また、「友人・知人」は26.3%、「近所の人」は15.5%で、他の世帯類型に比べて高く、夫婦のみ世帯では、「配偶者」が圧倒的に高く82.5%にのぼり、互いに支え合っている現状がうかがえました。「子ども(子どもの配偶者、孫を含む)」は45.4%で、ひとり暮らし世帯と同程度の割合を示しました。二世代・三世代世帯では、「配偶者」の割合は48.6%で全体の平均と同程度であり、「子ども(子どもの配偶者、孫を含む)」が69.5%と高い割合を示しています。「手伝ってもらう人がいない」と回答した人は、ひとり暮らし世帯で13.7%と1割以上を占め、夫婦世帯(2.0%)、二世代・三世代世帯(1.7%)に比べて高い割合を示しています。(表10)
生協活動への参加有無別には、それほどの大きな割合差は見られないものの、生協活動に参加している人の方が、「友人・知人」や「近所の人」と回する人の割合がやや高くなっています。
表10:世帯類型(3区分)×日常生活上の困りごとの支援者(複数回答) ※無回答は集計から除く。X2=2416.507 自由度=36 p=0.000** **p<0.01
|
1人暮らし |
夫婦のみ |
二世代(親子) |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
配偶者 |
13 |
1.2 |
949 |
82.5 |
657 |
48.6 |
1,619 |
44.7 |
子ども(子どもの配偶者、孫など含む) |
518 |
46.4 |
524 |
45.5 |
939 |
69.5 |
1,981 |
54.7 |
兄弟・姉妹 |
201 |
18.0 |
85 |
7.4 |
152 |
11.2 |
438 |
12.1 |
親戚 |
75 |
6.7 |
27 |
2.3 |
49 |
3.6 |
151 |
4.2 |
友人・知人 |
333 |
30.2 |
502 |
44.6 |
466 |
35.2 |
1,301 |
36.6 |
町会・自治会の人 |
32 |
2.9 |
22 |
1.9 |
31 |
2.3 |
85 |
2.3 |
マンションの管理人 |
32 |
2.9 |
15 |
1.3 |
11 |
0.8 |
58 |
1.6 |
ホームヘルパー |
97 |
8.7 |
27 |
2.3 |
31 |
2.3 |
155 |
4.3 |
ケアマネジャー |
86 |
7.7 |
44 |
3.8 |
45 |
3.3 |
175 |
4.8 |
民生委員 |
10 |
0.9 |
1 |
0.1 |
3 |
0.2 |
14 |
0.4 |
高齢者相談センター(地域包括支援センター)の人 |
48 |
4.3 |
21 |
1.8 |
27 |
2.0 |
96 |
2.7 |
役所の人 |
28 |
2.5 |
8 |
0.7 |
7 |
0.5 |
43 |
1.2 |
生協組合員 |
27 |
2.4 |
24 |
2.1 |
18 |
1.3 |
69 |
1.9 |
生協の事業所職員 |
10 |
0.9 |
8 |
0.7 |
4 |
0.3 |
22 |
0.6 |
ボランティア |
11 |
1.0 |
5 |
0.4 |
7 |
0.5 |
23 |
0.6 |
その他 |
51 |
4.6 |
26 |
2.3 |
55 |
4.1 |
132 |
3.6 |
手伝ってもらう人がいない |
153 |
13.7 |
23 |
2.0 |
23 |
1.7 |
199 |
5.5 |
緊急時の支援者
病気などで手助けを必要とする際に支援してくれる人=緊急時の支援者がいる人の割合は85.2%、いない人は9.7%でした。世帯類型別には、夫婦のみ世帯と二世代・三世代世帯では、9割以上の人が緊急時の支援者が「いる」と回答、ひとり暮らし世帯では81.6%にとどまり、緊急時の支援者がいない人が18.4%と2割弱にのぼっています。
また、東京保健生協のサービスの利用有無別には、生協サービスを利用している人の場合には、緊急時の支援者がいる人が90.4%であったが、利用していない人では87.2%とやや低くなっています。生協活動への参加有無別には、活動に参加している人の場合、緊急時の支援者がいる人は92.3%であったが、活動に参加していない人では87.7%と、少し低い値を示しています。
社会参加の状況
地域で参加している社会活動については、「趣味の会」や「健康づくりの活動」がいずれも3割程度を占め、PTAや生協活動を含む「社会活動」が2割、「町会・自治会」が1割半程度でした。社会活動に参加していない人の割合は32.4%で3割を超えています。
世帯類型による違いについては、ひとり暮らし世帯は、他の世帯に比べて「社会活動」に参加する人の割合が少し低く、「介護予防事業」への参加がやや高く、また、活動に参加していない人の割合は32.4%で、夫婦のみ世帯に比べて高くなっています。夫婦のみ世帯では、活動に参加していない人の割合は28.9%で最も低く、「社会活動」(22.3%)や「町会・自治会」(16.3%)は、ひとり暮らし世帯よりもやや高くなっています。二世代・三世代世帯は、「社会活動」(21.4%)や「町会・自治会」(16.5%)への参加は夫婦のみ世帯と同程度であったが、活動に参加していない人の割合は34.1%で、最も高くなっています。
生協サービスの利用有無別には、活動に参加していない人の割合は、サービス利用の有無にかかわらず32%程度で違いが見られませんでしたが、参加している活動の内容については、割合差が見られたものがありました。「社会活動」については、生協サービスを利用している人では21.8%が参加しているが、サービスを利用していない人では13.5%にとどまっています。生協サービスを利用している人の方が、生協活動に参加している人の割合が高いことから、生協活動を含む「社会活動」への参加割合にも影響しているのではないかと考えられます。
生協活動への参加有無別に、地域の社会活動への参加状況を見ると、生協活動に参加している人は、参加していない人に比べて、多くの社会活動に参加していることがわかりました。たとえば、「趣味の会」は、生協活動に参加している人の41.5%が参加しています。生協活動に参加していない人では22.3%にとどまっています。「社会活動」については、生協活動に参加している人では32.8%ですが、生協活動に参加していない人では、10.1%と3倍以上の開きがありました。地域で社会活動に「参加していない」人の割合についても、生協活動に参加している場合には17.7%と2割に達しませんでしたが、生協活動に参加していない場合には44.3%と4割以上にのぼっています。
東京保健生協のサービス利用状況について
利用している東京保健生協のサービスは、「病院」(42.3%)、「診療所」(31.2%)、「予防接種」(26.6%)、「健康診断」(39.6%)などの割合が高くなっています。サービスを利用していない人は20.2%でした。(図13)
世帯類型別に見ても、病院や診療所、歯科を利用している人の割合にはそれほど大きな違いありません。「保健講座等(健康づくり)」については、ひとり暮らし世帯の利用がやや高くなっています。また、サービスを利用していない人の割合は、夫婦のみ世帯と二世代・三世代世帯では19%代でしたが、ひとり暮らし世帯では22.0%でやや高くなっています。
生協活動への参加有無別には、全体的に、生協活動に参加している人の方が、多くのサービスを利用している傾向にあります。「病院」は、生協活動への参加有無にかかわらず、4割程度で大きな差は見られないものの、「診療所」「歯科」などの医療サービスや、「予防接種」「健康診断」については、生協活動に参加している人のほうが、参加していない人に比べて、およそ8~10ポイント程度高い割合を示しています。とくに割合差が大きかったのは、「まちかど健康チェック」と「保健講座等(健康づくり)」でした。生協活動に参加している人は、いずれも25%程度の人がこの2つのサービスを利用していますが、生協活動に参加していない人では、「まちかど健康チェック」が4.8%、「保健講座等(健康づくり)」はわずか1.5%でした。なお、サービスを利用していない人の割合は、生協活動に参加している人は12.9%ですが、活動に参加していない人は26.0%になっていました。
東京保健生協の活動への参加状況について
参加している東京保健生協の活動については、「班活動」が29.5%と3割を占めて最も高く、次いで「生協だより配布」(21.1%)、「支部活動」(12.8%)でした。
世帯類型別には、「支部活動」や「班活動」について、夫婦のみ世帯や二世代・三世代世帯に比べて、ひとり暮らし世帯の場合は、参加している人の割合がやや高くなっています。活動に参加したことがない人の割合は、ひとり暮らし世帯では53.6%、夫婦のみ世帯では54.5%、二世代・三世代世帯では55.0%でした。
東京保健生協のサービスの利用有無別には、明確な差が見られました。最も多くの人が参加している「班活動」について、生協サービスを利用している人の場合は31.5%が参加していると回答していますが、利用していない人は18.3%でした。また、「生協だより配布」については、生協サービスを利用している人の場合は24.5%でしたが、利用していない人では9.3%でした。生協の活動に参加したことがない人の割合は、生協サービスを利用している人では50.7%、利用していない人では71.1%と20ポイント以上の差が見られています
東京保健生協についての意識
東京保健生協について、満足度や今後の活動への参加意向など5つの意識についてたずねました。このうち、「東京保健生協の組合員活動と運動に満足している」「東京保健生協のサービスに満足している」についての結果を見てみました。組合員活動と運動への満足度については、「とてもそう思う」(8.9%)と「そう思う」(27.8%)を合わせて、36.7%の人が満足していると回答しています。生協のサービスについては、「とてもそう思う」(9.3%)と「そう思う」(28.3)を合わせて、37.6%の人が満足していると回答しています。いずれも、無回答の割合が23%を超えて高かったため、この設問に回答した人のみで再集計すると、満足している人の割合はもう少し高くなると思われます。(表11)
表11:東京保健生協に対する意識
|
(1)活動への満足 |
(2)張り合い |
(3)サービス満足 |
(4)参加意向 |
(5)必要度 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
とてもそう思う |
363 |
8.9% |
318 |
7.8% |
378 |
9.3% |
376 |
9.2% |
1,363 |
33.5% |
まあそう思う |
1,132 |
27.8% |
864 |
21.2% |
1,151 |
28.3% |
986 |
24.2% |
1,176 |
28.9% |
どちらでもない |
1,344 |
33.0% |
1,357 |
33.3% |
1,243 |
30.5% |
1,150 |
28.2% |
440 |
10.8% |
あまりそう思わない |
203 |
5.0% |
319 |
7.8% |
246 |
6.0% |
374 |
9.2% |
45 |
1.1% |
まったくそう思わない |
70 |
1.7% |
151 |
3.7% |
83 |
2.0% |
161 |
4.0% |
49 |
1.2% |
無回答 |
959 |
23.6% |
1,062 |
26.1% |
970 |
23.8% |
1,024 |
25.2% |
998 |
24.5% |
合計 |
4,071 |
100.0% |
4,071 |
100.0% |
4,071 |
100.0% |
4,071 |
100.0% |
4,071 |
100.0% |
世帯類型別には、ひとり暮らし世帯では、組合員活動と運動に満足している人は50.1%と半分を占め、夫婦のみ世帯の48.0%、二世代・三世代世帯の46.3%に比べてやや高くなっています。生協サービスに満足している人の割合は、ひとり暮らし世帯では48.7%、夫婦のみ世帯では49.2%、二世代・三世代世帯では49.4%でほぼ同程度でした。
生協サービスの利用有無別には、生協サービスを利用している場合には、組合員活動と運動について満足している人の割合が52.3%で、生協サービスを利用していない人の28.2%に比べて高い割合を示しました。また、生協サービスに満足している人の割合についても、サービスを利用している人では54.9%、利用していない人では22.8%と大きな差が見られました。
生協活動への参加有無別には、生協活動に参加している場合には、組合員活動と運動について満足している人の割合が60.9%と6割にのぼり、生協活動に参加していない人の34.2%に比べて高い割合を示しました。また、生協サービスに満足している人の割合についても、生協活動に参加している人では57.0%と高く、生協活動に参加していない人の32.2%に比べて高い割合を示しました。
東京保健生協第7次中期構想について
第7次中期構想の内容について知っていると回答した人は15%程度でした。
世帯類型別には、ひとり暮らし世帯と二世代・三世代世帯では17~18%程度が「知っている」と回答し、夫婦のみ世帯では15.0%でした。
生協サービスの利用有無別には、生協サービスを利用している人の19.5%が「知っている」と回答し、生協サービスを利用していない場合の7.7%の2倍以上の割合でした。
生協活動への参加有無別には、生協活動に参加している人の30.1%が「知っている」と回答し、生協活動に参加していない場合の6.9%より大幅に高い割合を示しました。
「ヘルスプロモーション」について聞いたことがある人の割合は、25.2%でした。
世帯類型別には、ひとり暮らし世帯と夫婦のみ世帯では24~26%程度が聞いたことがあり、二世代・三世代世帯ではそれが30.9%と少し高い割合でした。
生協サービスの利用有無別には、生協サービスを利用している人では30.8%が聞いたことがあると回答していますが、生協サービスを利用していない場合には16.0%と低い割合となっています。
生協活動への参加有無別には、生協活動に参加している人では45.3%が聞いたことがあると回答していますが、生協活動に参加していない場合には13.1%と低くなっています。
「エンディングノート」について知っている人の割合は72.4%でした。世帯類型別、また生協サービスの利用有無別には差がありません。生協活動への参加有無別には、生協活動に参加している人では79.9%が「エンディングノート」を知っていると回答し、参加していない人の72.6%よりもやや高い割合を示しています。
東京保健生協の第7次中期構想の内容と関連するキーワードについては、生協サービスを利用していたり、生協活動に参加している場合には、認知度が高くなることがわかりました。
生協組合員同士の居場所(サロン)については、52.3%の人が「近くにあれば参加したい」と回答しています。(図14)
世帯類型別には、ひとり暮らし世帯の人は59.6%が、夫婦のみ世帯の人は58.2%が、「近くにあれば参加したい」と回答し、二世代・三世代世帯では53.1%とやや低い割合でした。
生協サービスの利用有無別には、生協サービスを利用している人は57.8%が「近くにあれば参加したい」と回答していますが、生協サービスを利用していない人は50.5%で、やや低い割合でした。
生協活動への参加有無別には、生協活動に参加している人は「近くにあれば参加したい」と回答した人の割合が72.1%にのぼっています。生協活動に参加していない人の場合には43.5%でした。
以上、見てきたように、世帯類型によって生活状況や社会的ネットワークの状況が異なっていることがわかりました。また、生協活動への参加有無や、生協サービスの利用有無によって、東京保健生協の活動やサービスの利用状況が異なること、東京保健生協の活動やサービスに対する理解や満足度が大きく異なることがわかりました。
性別・年齢
調査回答者のうち、65歳以上のひとり暮らし高齢者860ケースを対象として分析を行いました。
性別については、男性が16.6%、女性が83.4%で、女性の方が多い(表12)。調査回答者全体では、男性が3割、女性が7割であり、ひとり暮らし高齢者の場合には女性の割合が高いことがわかりました。
年齢については、65歳以上75歳未満の前期高齢者が28.0%、75歳以上の後期高齢者が72.0%で、後期高齢者の方が多い。それを性別と合わせて集計すると、男性は、前期高齢者がおよそ4割強、後期高齢者がおよそ5割半であったのが、女性は、前期高齢者が2割半、後期高齢者が7割半であり、女性の方が後期高齢者の割合が高いことがわかる。平均年齢は、男性は76.7歳、女性は78.9歳でした。
表12:【ひとり暮らし高齢者】年齢階層 ※無回答は集計から除く。
|
ケース数 |
% |
---|---|---|
65歳以上75歳未満 |
241 |
28.0% |
75歳以上 |
619 |
72.0% |
合計 |
860 |
100.0% |
居住する地域と住宅の種類
ひとり暮らし高齢者の割合が比較的高い地区は豊島区、中央区で3割半前後を占めています。以下、文京区、台東区、新宿区は3割を少し超えた程度、練馬区は3割弱でした。
また、男性の割合が高い地区は台東区で3割弱程度を占めた。他地区は1割から1割半程度でした。
住宅の種類について、65歳以上の回答者(2,779ケース)について、ひとり暮らし世帯とそれ以外の世帯で比較すると、ひとり暮らし世帯の持ち家率は7割強で、夫婦のみ世帯の8割半や、2世代・3世代・その他の世帯の9割に比べて低いことがわかりました。一方で、民間賃貸住宅や都営・区営・UR等の公的賃貸住宅に住む人の割合は、ひとり暮らし世帯が高く、1割前後を占めています。
続いて、65歳以上高齢者のひとり暮らし世帯のみを対象として住宅の種類を集計した際、性別による違いが見られました。「持ち家(一戸建て)」と「持ち家(分譲マンション)」を合わせた持ち家率は、男性は68.4%、女性は73.1%で、女性の方が高くなっています。また、都営・区営住宅やUR(都市再生機構)賃貸などの公的な賃貸住宅に居住する人の割合は、男性は1割、女性は1割半程度を占めており、女性の方が高くなっています。一方、民間賃貸住宅に居住する人の割合は、男性は2割を占め、女性は1割にも満ちていません。女性は持ち家率が高く、また、公的な賃貸住宅に居住する人が多く、男性は、女性に比べると持ち家率が低く、また、民間の賃貸住宅に居住する人の割合が高いことがわかりました。
健康の状況と介護保険
健康の状況については、7割強の人が健康であると回答し、健康ではないと回答した人は2割半程度でした。介護保険サービスを利用している人の割合は、およそ2割でした。要介護度については、要支援1と要支援2が合計で5割半程度を占め、次いで要介護1が2割でした。
もっとも長く従事した職業について
これまで最も長く従事した職業については、男性は「民間企業の正社員」が最も多く4割半を占め、次いで「自営業」が3割弱でした。女性は、「民間企業の正社員」はおよそ3割、「自営業」は2割で、「仕事をしていなかった(専業主婦を含む)」が1割半でした。
外出頻度と交通手段
外出頻度は、週に4回以上外出する人が全体の6割半を占めた。男性は6割弱、女性は6割半程度でした。
外出時の交通手段は、男女ともに徒歩が多く6割強から7割強を占めています。そのほか、男性は「自転車」(42.9%)や「自家用車」(12.0%)などの割合が女性より高くなつています。一方、女性は、「バス」(59.9%)や「電車」(50.1%)などの公共交通機関を利用する人の割合が男性より高いことがわかりました。
収入と経済状況
年間収入について、男女ともに「200万円以上400万円未満」が最も高く、男性はおよそ4割、女性はおよそ3割でした。年間収入が200万円未満の人は、男性は49.1%とおよそ半分を占め、女性は62.6%で6割を超えています。全体的に、男性の方が収入額が高い方に寄っています(表13)。
年間収入を4つに区分し、それぞれの主な収入源について集計しました。年間収入が700万円以上の世帯では、「年金」(7割半)のほか、「利子、配当、家賃、地代」が9割弱を占めています。そのほかの世帯では、「年金」が9割以上を占めた。年間収入が200万円未満の世帯では、年金が9割強であったほかは、「預貯金のとり崩し」が3割強で他の世帯よりも高い割合を占め、また、「生活保護」が5%でした。
経済状況の感じ方については、性別による差は見られず、男女ともに、2割程度の人が、経済状況が苦しいと感じています。
表13:【ひとり暮らし高齢者】世帯の1年間の収入 ※無回答は集計から除く。
|
ケース数 |
% |
---|---|---|
200万円未満 |
476 |
60.6% |
200万円以上400万円未満 |
244 |
31.0% |
400万円以上700万円未満 |
50 |
6.4% |
700万円以上 |
16 |
2.0% |
合計 |
786 |
100.0% |
医療費の支払い・住む場所を失うことへの不安や心配
医療費の支払いについて不安に感じている人の割合は、全回答者のおよそ4分の1を占めています。そのうち、65歳以上のひとり暮らし高齢者についてクロス集計を行いました。
まずは健康状態について見てみました。医療費の支払いについて不安がある場合、健康状態が良い人の割合はおよそ2割、良くない人の割合は4割半程度でした。一方、医療費の支払いについて不安がない場合には、健康状態が良い人が4割強、良くない人が2割でした。医療費の支払いに対して「不安がある」人の方が、「不安がない」と回答した人に比べて、健康状態が悪い人の割合が高いことがわかります(表14)。
次に年間収入と経済状況の感じ方について調べました。医療費の支払いに不安がある場合、年間収入が200万円未満の人の割合が7割半にものぼり、経済状況が苦しいと感じる人の割合が4割強を占めました。一方、医療費の支払いに不安がない場合には、年間収入が200万円未満の人の割合は5割半、経済状況が苦しいと感じる人の割合は1割強でした。医療費の支払いについて不安を感じている人は、収入が少なく、かつ経済状況が苦しいと感じている人が多いことがわかりました。
同様に、住む場所がなくなる心配をした経験の有無について見てみました。全回答者では1割の人が、住む場所がなくなる心配をした経験があると回答している。65歳以上の回答者に限定し、世帯類型別に集計すると、夫婦のみ世帯や二世代・三世代・その他世帯においては、住む場所がなくなる心配をした経験のある人は1割弱でしたが、ひとり暮らし世帯の場合には1割を超えて13%でした。
対象を65歳以上のひとり暮らし高齢者に限定し、住む場所がなくなる心配をした経験の有無別に、住宅の種類、年間収入、経済状況の感じ方について集計しました。住む場所がなくなる心配をした経験のある人は、「持ち家(一戸建て)」と「持ち家(分譲マンション)」を合わせた持ち家に居住する人の割合が4割強にとどまり、民間賃貸住宅に居住する人の割合が3割半を占めました。住む場所がなくなる心配をした経験がない場合には、持ち家率は8割弱にのぼり、民間賃貸住宅に居住する人の割合は1割弱である。住む場所がなくなる心配をした経験のある人は、持ち家率が低く、民間賃貸住宅に住む人の割合が高いことがわかりました。
また、住む場所がなくなる心配をした経験がある場合、年間収入が200万円未満の人が7割半を占め、経済状況が苦しいと感じる人が5割にのぼりました。住む場所がなくなる心配をした経験がない場合には、年間収入が200万円未満の人は6割弱であり、経済状況が苦しいと感じる人は1割半でした。住む場所がなくなる心配をした経験のある人は、収入が少なく、かつ経済状況が苦しいと感じている人が多いことがわかりました。
表14:【ひとり暮らし高齢者】医療費の支払いへの不安の有無×健康状態 ※無回答は集計から除く。X2=55.901 自由度=4 p=0.000** **p<0.01
|
はい(不安がある) |
いいえ(不安はない) |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
良い |
11 |
5.7% |
107 |
17.5% |
118 |
14.6% |
まあ良い |
29 |
15.0% |
162 |
26.4% |
191 |
23.7% |
普通 |
68 |
35.2% |
223 |
36.4% |
291 |
36.1% |
あまり良くない |
64 |
33.2% |
92 |
15.0% |
156 |
19.4% |
良くない |
21 |
10.9% |
29 |
4.7% |
50 |
6.2% |
合計 |
193 |
100.0% |
613 |
100.0% |
806 |
100.0% |
家族とのつながり
同居していない家族との連絡については、男性よりも女性の方がその頻度が高いことがわりました。週に1回以上家族や親族と連絡を取っている人は、男性はおよそ4分の1程度でしたが、女性はおよそ半分を占めました。また、連絡を取り合っていない人の割合は、女性はわずか2.1%でしたが、男性は12.3%と1割を超えています。(表15)
同様のことは会って話す機会についても言えます。週に1回以上家族や親族と会って話している人の割合は、男性は2割強であったのに対し、女性は3割弱でした。「月に1、2回」を見ても、男性は2割に満たなかったですが、女性は3割半を占めています。男性よりも女性の方が、家族と会って話す機会の頻度が高くなっています。会って話す機会がないと回答した人は、女性は4.0%ででしたが、男性は15.4%と1割半でした。
家族との連絡頻度を年齢階層別に見ると、65歳以上75歳未満の前期高齢者よりも、75歳以上の後期高齢者の方が高くなっています。前期高齢者は、週に1回以上連絡を取る人の割合が40.1%でしたが、後期高齢者は50.9%でした。
表15:【ひとり暮らし高齢者】性別×同居していない家族・親族との連絡頻度 ※無回答は集計から除く。X2=66.232 自由度=5 p=0.000** **p<0.01
|
男性 |
女性 |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
ほぼ毎日 |
17 |
13.1% |
153 |
22.7% |
170 |
21.1% |
週に1、2回 |
17 |
13.1% |
197 |
29.2% |
214 |
26.6% |
月に1、2回 |
38 |
29.2% |
210 |
31.2% |
248 |
30.8% |
年に数回 |
37 |
28.5% |
82 |
12.2% |
119 |
14.8% |
なし |
16 |
12.3% |
14 |
2.1% |
30 |
3.7% |
別居の家族や親戚はいない |
5 |
3.8% |
18 |
2.7% |
23 |
2.9% |
合計 |
130 |
100.0% |
674 |
100.0% |
804 |
100.0% |
友人・近隣とのつながり
日頃親しくしている友人・知人の有無について男女別に集計しました。親しくしている友人がいる人の割合は、男性はおよそ7割でしたが、女性は9割を占めました。友人がいない人の割合は、男性は3割弱にのぼり、女性は1割弱と低くなっています。女性の方が、親しくしている友人がいる人の割合が高くなっています。なお、親しくしている友人との連絡頻度については、性別による差は見られませんでした。
近所づきあいについて、回答者の年齢が65歳以上のケースを対象に、世帯類型別に集計して比較すると、ひとり暮らし世帯の方が、他の世帯類型に比べて比較的親密な近所づきあいをしていることがわかりました。互いの家を行き来する程度の親密な近所づきあいをする人の割合は、ひとり暮らしでは2割を超えていますが、他の世帯では17%程度でした。
続いて、65歳以上ひとり暮らし高齢者の近所づきあいの程度を、男女別に集計したところ、性別により大きな差が見られました。女性は、互いの家を行き来するなど親密に近所づきあいをする人の割合が4分の1を占めていますが、男性は1割程度でした。一方で、男性は、ほとんどつきあいがないと回答した人が1割半、あいさつを交わす程度のつきあいをしている人が5割半を占めて高くなっています。男性の方が、女性よりも近所づきあいが希薄な傾向にあることがわかりました。
また、近所づきあいについて、東京保健生協の活動への参加有無別に集計すると、生協活動に参加している方が近所づきあいが親密な傾向にあることがわかりました。生協活動に参加している人は、会ったときに世間話をする人が4割弱でしたが、生協活動に参加していない人は3割にとどまっています。生協活動に参加していない人は、あいさつを交わす程度の人の割合が最も高く、4割弱を占めていました。(表16)
表16:【ひとり暮らし高齢者】東京保健生協活動への参加有無×近所づきあい ※無回答は集計から除く。X2=21.832 自由度=4 p=0.000** **p<0.01
|
生協活動に参加している |
生協活動に参加したことがない |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
互いの家をよく行き来する |
36 |
8.9% |
17 |
4.0% |
53 |
6.4% |
ときどき行き来する |
64 |
15.8% |
68 |
16.2% |
132 |
16.0% |
会ったときに世間話をする |
154 |
38.1% |
125 |
29.8% |
279 |
33.9% |
あいさつをかわす |
126 |
31.2% |
163 |
38.8% |
289 |
35.1% |
ほとんどつきあいがない |
24 |
5.9% |
47 |
11.2% |
71 |
8.6% |
合計 |
404 |
100.0% |
420 |
100.0% |
824 |
100.0% |
緊急時の支援者と正月三が日を過ごした相手
病気等のときに手助けをしてくれる人、すなわち緊急時の支援者がいると回答した人の割合は8割を超えて高くなっています。男性は7割、女性は8割半で、特に女性の方がその割合が高いことがわりました。緊急時の支援者として最も多いのは「子ども(子どもの配偶者、孫を含む)」ですが、それを緊急時の支援者として挙げる人の割合は、男性は4割強、女性は6割弱でした。一方で、「ケアマネジャーやヘルパーなど介護事業者」と回答した人の割合は、男性が1割、女性は4.5%であり、男性の方が高くなっています。
続いて、緊急時の支援者の有無を年齢階層別に見てみると、緊急時の支援者が居る人の割合は、前期高齢者は74.8%でしたが、後期高齢者は87.5%になっています。さらに、年齢階層ごとそれぞれに男女別に緊急時の支援者の有無について多重クロス集計を行いました。前期高齢者の場合には、男性よりも女性の方が、緊急時の支援者が居る人の割合が高いことがわかりました。後期高齢者の場合には、性別による差はありませんでした。
正月三が日をひとりで過ごした人の割合について、女性は2割半程度でしたが、男性は4割半になっています。(表17)
表17:【ひとり暮らし高齢者】性別×正月三が日を過ごした相手(複数回答) ※無回答は集計から除く。X2=48.280 自由度=8 p=0.000** **p<0.01
|
男性 |
女性 |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
ケース数 |
% |
|
配偶者・親 |
6 |
4.7% |
16 |
2.3% |
22 |
2.7% |
子ども(子どもの配偶 者、孫を含む) |
39 |
30.2% |
359 |
52.1% |
398 |
48.7% |
兄弟・姉妹 |
18 |
14.0% |
89 |
12.9% |
107 |
13.1% |
親戚 |
4 |
3.1% |
35 |
5.1% |
39 |
4.8% |
近所の人 |
3 |
2.3% |
18 |
2.6% |
21 |
2.6% |
友人・知人 |
18 |
14.0% |
83 |
12.0% |
101 |
12.3% |
ひとりで過ごした |
59 |
45.7% |
173 |
25.1% |
232 |
28.4% |
その他 |
3 |
2.3% |
29 |
4.2% |
32 |
3.9% |
地域で参加している団体・集まり
全体に、男性よりも女性の方が多くの活動に参加しています。男性は、「趣味の会」が2割弱であったほか、「社会活動」や「健康づくりの活動」が1割強で、地域の団体や集まりに参加していない人の割合は51.9%と5割を超えて高くなっています。女性は、さまざまな活動に参加している人が多く、「趣味の会」や「健康づくりの活動」には3割半程度の人が、「社会活動」には2割の人が、「町会・自治会」や「老人クラブ」は1割強の人が参加しています。活動に参加していない人の割合は2割強でした。
年齢階層別に見ると、活動に参加していない人の割合は、前期高齢者・後期高齢者ともに2割半から3割弱で、それほど大きな差は見られませんでした。前期高齢者は「社会活動」が3割弱、「町会・自治会」が2割弱で、後期高齢者よりも高くなっています。一方、後期高齢者は、「介護予防事業」や「老人クラブ」への参加が高くなっています。
年齢階層ごとに男女別に地域で参加している団体や集まりについて多重クロス集計を行いました。活動に参加していない人の割合は、前期高齢者の男性が4割半、女性が2割でした。参加している活動のうち、男女差が大きかったものは「趣味の会」と「健康づくりの活動」で、いずれも女性は4割の人が参加しているが、男性は1割強でした。後期高齢者の場合には、活動に参加していない人の割合が全体に高くなっていますが、とくに男性は6割弱にのぼり、女性の2割半に比べて高くなっています。参加している活動については、「趣味の会」に参加する人の割合差が小さくなり、男性は2割半、女性は3割半が参加していました。また、「介護予防事業」や「老人クラブ」への参加は、後期高齢者の方が高くなることを先に見ましたが、さらに男女別に見てみると、男性は「介護予防事業」への参加が6.8%であったのに対して女性は13.7%、「老人クラブ」については、男性5.5%、女性15.8%で、女性の方が高く、前期高齢者からの上がり幅も大きくなっています。
また、東京保健生協の活動への参加有無別に見ると、生協活動に参加している人の方が、地域のさまざまな活動に参加している人の割合が高くなっています。生協活動に参加している人のうち、地域の活動に参加していない人は1割半でしたが、生協活動に参加したことがない人の場合では4割でした。
地域の団体や集まりに参加しない理由
地域の団体や集まりに参加しない理由としては、ひとり暮らし高齢者の場合、「自分の興味をひくものがない」が2割半、「体の調子が悪い」が2割強、「一緒に参加する仲間や友人がいない」が18%程度でした。「体の調子が悪い」や「一緒に参加する仲間や友人がいない」については、他の世帯類型に比べて高い割合でした。
ここでは、1)65歳以上でひとり暮らしをしている組合員の生活実態について、2)地域活動および東京保健生協活動への参加状況についての2つを柱として、調査から見えたことをまとめを行います。
1)については、回答者の多くを高齢者が占めていることから、東京保健生協の今後の組合員活動を検討する際に、高齢者の生活実態からそのニーズを捉えることが肝要であると考え、設定しました。なかでも、とくにひとり暮らし高齢者に注目したのは、生活支援の対象となりやすい傾向にあるからです。
2)については、東京保健生協の組合員活動の中心的担い手が70代であることを踏まえ、今後の活動の拡充や発展を考える際に、まずは現在活動に参加している人々の特徴を捉えること、そして、次世代の担い手としての60代以下の状況や意向を把握することが肝要と考え、分析の柱としました。
性別と年齢―ひとり暮らし高齢者の8割が女性
本調査の回答者のうち、ひとり暮らし高齢者は860ケースで、全体のおよそ2割を占めています。65歳以上の回答者(2,779ケース)に占める割合は31.0%でした。そのうち、8割以上が女性でした。以下では、とくに性別による違いに注目しながら分析を行いました。
収入と経済状況―年間200万円未満の人が5割以上
1年間の収入額は、男性よりも女性の方が低い方に寄っています。経済状況の感じ方については、男女差はありませんが、男女ともおよそ2割の人が、経済的に苦しいと回答しています。年間収入が200万円に満たない人の割合は、男性はおよそ5割、女性は6割を超えています。その多くは年金収入と預貯金の取り崩しに頼っており、生活保護を受給していると回答した人は、5%でした。
住宅と並び、生活を支えていくのは収入です。女性や自営業者であった人など、国民年金のみの受給では、ひとり暮らしの生活を支えるのには心許ない状況です。しかし生活保護の受給率は低く、預貯金の取り崩しなどで賄っている現状が見えました。
家族とのつながりと緊急時支援―男性は家族との連絡頻度が低い
同居していない家族との連絡頻度については、75歳未満の前期高齢者よりも、75歳以上の後期高齢者の方が、その頻度が高くなる傾向となっています。また、男性よりも女性の方が、連絡したり会って話したりする頻度が高くなっています。
また、病気等の緊急時に支援してくれる人の有無について男女別に集計したところ、支援者が「いない」人の割合は、女性は13.7%、男性は28.8%にも上りました。また、緊急時の支援者の種類については、「子ども」と回答した人の割合が、女性は6割弱でしたが、男性は4割強にとどまり、性別によって差が見られました。
普段から連絡を取り合う関係性があれば、困ったときにすぐに支援してもらうことができる。そうした関係性に弱さが見られるのがひとり暮らしの男性であるということは、ひとり暮らし高齢者の支援を考えていく際に、留意するべき点と考えられます。
友人・近隣とのつながり―男性は近所づきあいが希薄な人が多い
ひとり暮らしの生活を支える社会的ネットワークとして、家族・親族のほかに挙げられるのが、友人や近隣です。親しくしている友人・知人がいない人の割合は、男女別に見ると男性の方が高くなつています。男性は、親しくしている友人が「いない」人が3割弱にのぼっています。女性の場合は1割であることを考えると、相当に高い割合です。また、近所づきあいについても、男性の方が女性よりも希薄となっています。ひとり暮らし高齢者は、夫婦世帯や親子世帯等に比べて、比較的親密に近所づきあいをする傾向にあります。
回答者全体の傾向として、生協活動に参加している人は、近所づきあいが親密な人の割合が高く。ひとり暮らし高齢者についても同様で、生協活動に参加している人の方が、比較的親密に近所づきあいをしていることがわかりました。ひとり暮らし男性に対して、生協活動への参加と近所づきあいのプラスの関係性については、今後の活動の展開を考える上で、ひとつの示唆を与えていると考えられます。
東京保健生協活動と社会参加―4割前後が生協活動に参加
ひとり暮らし高齢者の4割前後が、東京保健生協の何らかの活動に参加しています。男女とも「班活動」への参加が最も多く、そのほか、女性はさまざまな活動に参加しています。先に述べたように、東京保健生協の活動に参加している人は、近所づきあいが比較的親密な傾向にあるほか、地域の団体や集まりに参加している人の割合も高くなっています。
地域の活動に参加していない理由として、「一緒に参加する仲間や友人がいない」と回答した人が2割弱、「興味をひくものがない」と回答した人が2割半程度となっています。このことは、今後、生協活動のさらなる発展を見据えた取り組みを検討する際にも、プログラムやアプローチの工夫に活かすことができるのではないかと考えられます。
活動者の特徴―性別・年齢
本調査の回答者のうち、東京保健生協の活動に参加している人は4割半を占めています。その年齢階層は、70歳以上の人がおよそ7割を占め、全体的に年齢が高い方に寄っています。
また、回答者全体の男女の比率はおよそ3対7で、女性の方が多く、東京保健生協の活動に参加している人の場合には、およそ2.5対7.5となり、さらに女性の割合が高くなっています。
以下では、東京保健生協の活動や地域での社会参加活動、そして社会的ネットワークの状況について見てみました。
東京保健生協活動への参加と友人・近隣関係
東京保健生協活動への参加有無別に、親しくしている友人・知人の有無について見ると、生協活動に参加している人は、友人がいる人の割合が9割以上にのぼるのに対して、参加していない場合には、8割強でした。回答者全体では、親しくしている友人がいる人の割合は8割強であることからも、生協活動に参加している人は、友人のいる人の割合が高いことがわかります。
また、近所づきあいについては、生協活動に参加している人の方がやや親密につきあう傾向にあります。
東京保健生協活動への参加と地域活動
東京保健生協の活動に参加している人は、地域の団体や集まりにも参加する人が多いことがわかりました。選択肢のひとつに「社会活動」として生協活動が含まれていることも影響していると考えられますが、生協活動に参加している場合には、地域活動に参加していない人の割合が2割弱ですが、生協活動に参加していない場合には4割を超えています。また、生協活動に参加している人は、「社会活動」以外にも、趣味の会や健康づくりの活動など、いろいろな活動に参加する傾向にあります。生協活動が地域活動への入り口になったり、またその逆もあるのではないだろうと考えられます。
東京保健生協活動への参加と地域の居場所(サロン)づくり
東京保健生協による地域の居場所(サロン)づくりについては、生協活動に参加している人の方が、利用したいと考える人の割合が高くなっています。生協活動に参加している場合、地域の居場所(サロン)に参加したいと考える人の割合は7割を超え、生協活動に参加していない場合の4割強を大きく上回っています。ただし、生協活動に参加していない人のうち、「参加したくない」と回答する人はわずか6%で、半数は「わからない」と回答しています。生協活動に参加していない人は、東京保健生協の活動やサービスへの満足度についても低めの傾向があります。それは、接触する機会がないために、内容を知ることができていないことの現れだと考えられます。今後、生協活動への組合員の参加促進や、サロン活動の展開を考える際に、留意しておくべきです。
40代から60代の参加状況と今後の展開
東京保健生協の活動をより大きく展開していくためには、60代以下の若い世代の参加が求められます。その40代から60代は、近所づきあいが希薄であり、生協活動に参加していない人の割合も6割半前後で高くなっています。この年代は、現役で仕事をしている人が多いと考えられ、生活の範囲が、地域よりも職場等を中心として広がっているのではないかと考えられます。40代から60代の場合には、近所の人が1割半、学生時代からの友人が2割強、職場の人が2割半、趣味やスポーツの仲間が2割強でした。この内訳は、40代から60代の年代によっても異なり、年代が上がるごとに、学生時代や職場の友人の比率が下がり、趣味やスポーツの仲間、近所の人の割合が高くなっています。このように、仕事や子育てに忙しい年代である40代と、仕事の責任が重くなってくる50代、定年退職者が増える60代とでは、社会生活のなかでの人的ネットワークが異なっています。それぞれの生活やネットワークの中心地点の違いを踏まえて、どの年代にどのようにアプローチをして生協活動や地域活動への参加を促進していくのかを考えることが肝要です。
生協活動に参加している人は、地域の居場所(サロン)に参加したいと考える人の割合が6割半と高く、そこには性別による差はありません。東京保健生協の活動に参加している人は、組合員活動のみならず東京保健生協のサービスに対する満足度も比較的高くなっています。生協活動への参加がひとつのキイあるいは入り口となって、さらなる参加の促進につながっている面があるといえます。
東京保健生協の組合員活動の発展・充実を見据えたとき、地域にどのようなニーズがあり、どんな活動が求められているのかを考えるとともに、現在活動に参加していない層に対してどのようなアプローチが有効となるのか、性別や年齢を中心軸としてその特徴を捉えていくことが肝要だと考えられます。地域に根ざした東京保健生協の活動の展開が、地域のつながりをゆたかに育み、地域住民の生活支援の輪を紡いでいくことにつながると考えます。