よりよい社会保障を充実させるための署名紹介 シリーズ(3)

社保委員会 理事 野口 洋子

医療費窓口負担2倍化反対

経済の低迷、非正規雇用など不安定労働の拡大で、現役世代は今の生活を維持するのに精一杯の方が増えています。そのため、国は「全世代型社会保障改革」の中で、「現役世代の負担軽減」を打ち出しています。
しかし、後期高齢者の医療費窓口負担を2倍化しても、現役世代の負担は月に平均30円程度軽減されるだけです。現役世代の不安なことのトップは「老後の不安」という調査結果もあり、高齢者の医療費負担を増やすことは、現役世代の老後の不安をさらに強めるだけです。

年金は減らされ、介護保険料やサービス利用料の値上げに加え、さらに医療費負担も増えれば、経済的理由による生活困窮者がさらに増えますが、それは高齢者本人にとどまらず、子ども世代をもまき込んでいきます。子どもが親を介護中であれば、生活困難による虐待の増加を危惧する声もあります。

国は2倍化による受診抑制で給付費を一千億円以上削減できるとしていますが、それが健康悪化につながることは認めていません。早期発見、早期治療を遠ざけ治療機会を逃して重症化すれば、高齢者本人はもとより、家族にも大きな負担になることは明らかです。

1973年から10年間、「老人福祉法」に基づき、老人医療費無料化が実施されていました。「おじいちゃん、おばあちゃんがただでお医者さんにかかれて良かった」と、安心したことを覚えています。1982年に改悪された「老人保健法」では、「国民は自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、老人の医療に要する費用は公平に負担する。」を基本理念としています。

誰もが歩む生老病死の道にも自己責任を持ち込むことは許されるのでしょうか。今の高齢者も、未来の高齢者も安心して老後をおくれるように、先ずは医療費2倍化をストップさせましょう。

現在、1520筆の署名が集まりました。さらに大きく広めましょう!