健診のススメ 胃がん検診を受けましょう

2人に1人はがんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。

1)主な部位別がん死亡件数(2021年度)

健診のススメ 胃がん検診を受けましょう 出典:厚労省「2021年の人口動態統計(確定数)

2)胃がん

胃がんは、50代以降に罹患する人が多く、がんによる死亡原因の多くを占めています。また、女性よりも男性の罹患率の方が高くなっています。発生要因にはヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の感染、喫煙、塩分の摂りすぎなどがあるといわれています。

胃がんの罹患率
健診のススメ 胃がん検診を受けましょう 出典:国立がん研究センター情報サービス「地域がん登録全国推計による罹患データ(1975〜2011)」

3)胃がん検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」で検診方法が定められています。

  1. 胃部X線検査

    発泡剤とバリウム(造影剤)を飲み、胃の中の粘膜を観察する検査です。

  2. 胃内視鏡検査

    口または鼻から内視鏡を挿入し、胃の内部を観察する検査。検査時に疑わしい部位が見つかれば、そのまま生検(組織を採取)を行う場合もあります。

  3. 対象年齢と検診間隔

    厚生労働省の指針では胃がん検診について50歳以上を対象に2年に1回を対象としていますが、胃部X線検査については当分の間40歳以上の人を対象に1年に1回の実施してもよいとされています。

胃内視鏡検査を自費で受ける場合の費用は15,000円程度。自治体のがん検診では無料または少ない費用で検査できます。胃がんは検診での早期発見により治療ができ、生存率も高くなります。積極的に胃がん検診を受けましょう。

参考)血液検査(ABC検診:自費)3,300円~4,000円

胃粘膜の萎縮の程度(血清ペプシノゲン値)とピロリ菌感染の有無(血清ピロリIgG抗体)を測定して、将来の胃がんリスクを予測する検診です。数mlの採血で行うことができます。ピロリ菌感染が確認された場合は除菌し、定期的に内視鏡を受けましょう。