病気Q&A「帯状疱疹について」

回答者 鉄砲洲診療所 所長 加藤 貴

(聞き手 編集部)

Q 帯状疱疹とはどんな病気ですか?

A 帯状疱疹は、50歳以上の方に多く見られる疾患です。帯状疱疹は幼いころかかった水痘症(水ぼうそう)が原因になります。水ぼうそうが治った後も、水痘ウイルスが神経の神経節というところに症状を出さない状態で潜伏していて、加齢や疲労などの免疫力低下により、再活性化して症状が出るものです。

Q 帯状疱疹の症状や特徴は?

A 症状は水疱を伴う発疹が、体の左右どちらか片側の神経分布領域に一致して出現し、強い痛みを伴い3〜4週間続きます。その他、かゆみや発熱、倦怠感、頭痛不眠症、麻痺などの症状が出る場合もあります。

帯状疱疹のやっかいなところは、発疹が治っても神経痛が残ることがあるところです。一般的には帯状疱疹発症後3〜6ヵ月痛みが持続するものを「帯状疱疹後神経痛」呼ばれています。
50歳以上の患者の2割が「帯状疱疹後神経痛」になるといわれています。また、帯状疱疹が顔に出た場合は目に障害が残ることや、顔面神経麻痺が出現することもあります。帯状疱疹が発症する部位は以下の通りです。

  • 発症する部位別の割合

    頭部~顔面

    17.6%

    頸部~上肢

    14.5%

    上肢~胸背部

    31.2%

    腹背部

    19.6%

    腰臀部~下肢

    17.2%

  • 病気Q&A「帯状疱疹について」

Q 帯状疱疹の予防接種について教えてください

A 50歳以上に対する帯状疱疹予防として、過去に水痘にかかったことがある人、帯状疱疹がかかったことがある人に水痘ワクチンを接種すると抗体が増えることがわかり、2016年から利用できるようになりました。そして新たに不活性ワクチンが国の承認を受け接種できるようになりました。

2023年から50歳以上の方を対象にワクチンの接種費用を一部助成する区が増えています。自分の区の状況を確認してください。組合員価格もありますので、是非接種しましょう。ワクチンの効果は2回接種で9年間持続することが確かめられています。

商品名

乾燥弱毒性水痘ワクチン「ビゲン」

帯状疱疹ワクチン「シングリックス」

ワクチンの種類

生ワクチン

不活化ワクチン

接種方法

皮下注射

筋肉内注射

接種回数

1回

2回

接種間隔

-

50歳以上の成人に2ヵ月以上開けて(~6ヵ月以内に)2回接種

費用

組合員:7,500円
非組合員:8,500円

組合員:21,500円/1回×2回
非組合員:22,500円/1回×2回

自治体による助成
(区によって異なります。要確認)

1回費用の半分~5,000円

1回につき10,000円~11,000円