生協の仲間を増やそう! 〜班会の実力とまちづくり〜

班会参加者は施設入所、入院、死亡・要支援・要介護になりにくい

大泉生協病院院長 齋藤 文洋
生協の仲間を増やそう! 〜班会の実力とまちづくり〜

皆さんが日常生活の一部として一生懸命にやっている「班会」。健康に良いものであると言う信念のもとに60年も70年も私たちはこの班会を引き継いできました。
そして今、その班会が実際にどれだけすごい事だったのか!と言うことが科学的に証明されつつあります。私たちの信念はただの思い込みではなかったのです。

医療福祉連では「班会に参加する組合員の健康度調査」というアンケート調査を行いました。筆者の齋藤はこの調査に責任者として関わってきました。全国の医療生協に呼びかけて12問46項目にわたるアンケート調査を2018年と2022年の2回行いました。1回目は参加したい人集まれと言う掛け声で各生協毎、班会毎に参加者を集いアンケートを記入してもらいました。2回目は1回目に参加してもらった方全員に再度アンケートをお願いして、4年間の変化を追跡しました。
この2回の調査の間に384人の方が施設入所したり要介護・要支援になった、あるいは入院したり亡くなったりされていました。今回の調査ではいろいろな事がわかるのですが、まず、施設入所したり要介護・要支援になったりなどした人たちは班会参加にどう関わっていたのかを調べてみました。

すると、班会に参加している人では7%のかたが施設入所したり要介護・要支援になったりしていましたが、班会に参加していなかった人では14.7%もの人が施設入所したり要介護・要支援になっていたのです。その差は2.4倍。言い方を変えると班会に参加していると施設入所したり要介護・要支援になる可能性が、約60%減ると言う結果になりました。この調査では班会の種類を問わず単に班会に参加していたかどうか?だけを調べました、ですから内容や参加の仕方には関係なく、単に「参加した」と言うだけで施設入所したり要介・護要支援になったりする可能性が低くなることがわかったのです

また医療福祉連の調査ではありませんが、今回の調査に多くの助言を頂いている、千葉大学教授の近藤克則先生の研究グループは、積極的に役割を持って班会のような社会参加に臨むと認知症の発症が20%減る、逆に何にも参加しない、孤立しがちの人では認知症になる可能性が20%増える、と言う研究結果を発表しています。

参加すれば元気に健康で生活できる人が増え、より積極的に参加すれば認知症にもなりにくい班会。健康寿命を延伸できる班会は、まさにまちづくりには最適の活動です。こんな底力を秘めた班会をまち全体比広げたくないですか?
生協の組合員さんでもそうでなくても、まちのみんなを誘って、素晴らしい班会を楽しみましょう。こんな元気の素をみんなにお裾分けしないわけにはいきません。そうしたらきっと多くの人が生協の組合員にもなってくれるかもしれませんね!

医療福祉生協の組合員調査についての動画もご覧ください