2024年1月30日と2月15日に、地域の医療機関や介護事業所を招いた「地域連携交流会」を開催しました。1月30日はACP※に関する講義や在宅部の紹介、2月15日は「もしばなゲーム」(「人生の最期にどう在りたいか」を話し合うことができるカードゲーム)を行い、35事業所から38名が参加しました。
在宅部の紹介では、自宅看取りを希望される全盲患者さんとの関わりの中で本人の意思を尊重し、家族や医療者全員で在宅医療を支えた事例が紹介されました。また、吉田先生の講義では「ACPとDNARの違い」について、本人や家族にどうわかりやすく伝えるかなどが話されました。「わかりやすく勉強になった」「在宅看取りの具体的なかかわりをできて良かった」「同じ地域で働いている包括職員として心強く感じた」等の感想がありました。
「もしばなゲーム」は「もしものための話し合い」をするカードゲームで、2月15日は10名と職員が参加しました。参加者からは「一回目の講義や事例紹介があったので、より身近に考えられた」との意見も聞かれ、大いに盛り上がりました。
コロナ禍でなかなか行えていなかった地域連携交流会ですが、来年度以降も地域とのつながりを大事に続けていこうと考えています。
※ACP:患者を主体にチームで本人による意思決定を支援する取り組み
これまで、事業所利用委員会や協議会の中で「健生病院の事を誰に聞いていいか分からない」「ちょっとしたことを相談したいんだけど誰に相談すればいいの?」「電話交換に電話したら色んな所にたらい回しにされた」などのお声を頂いていました。
そこで今回、健生版患者サポートセンター何でも相談窓口を開設しました!
電話だけでなく、メールやGoogleフォームからもお問い合わせ頂けます。
組合員さん、患者さんだけでなく法人内事業所、院内の職員からのお問い合わせ、ご意見をどんどんお寄せください。お待ちしております。
鉄砲洲診療所ではこの間、在宅件数を増やすために加藤所長・中島師長・事務長が地域包括支援センターへ挨拶まわりをしています。加藤所長から包括支援センターの職員に対し、「何かお困りのことはありませんか?」と伺い、中島師長からも日常的に相談している患者について話をしました。包括支援センターの職員からは「鉄砲洲診療所さんにはいつも難しい方の往診をして頂き、大変助かっています。」「今度相談したいと思っている方がいます」と感謝の言葉を頂きました。
先日、訪問した月島お年寄りセンターでは地域の様子について話がありました。月島や晴海地域は再開発で新たな居住者が増えた事により、居宅支援事業所が足りないそうです。また、外国人居住者(主に中国人)も増え、翻訳アプリでは訳すことができない医療や介護の専門用語を外国語で話せる人が求められているそうです。
挨拶周りは今後、包括支援センターから連携している事業所に行く予定です。地域情勢を知り、診療所が持続可能な経営をしていくためにも積極的に地域へつながる取り組みを行っていきたいと思います。
90歳女性は自宅で食事中に倒れ救急搬送され、診断の結果、病名は脳出血でした。出血は広範囲で数日たっても意識の回復はありませんでした。ご家族にとって緊急事態であり、不安で何も考えることができず、更に必要な情報も少ない状況です。そのような中で、自宅か施設かの選択を迫られました。
このような問題がある中で、ケアマネジャーとして、どのような関わりを持ち、どのような支援を行うことで、本人が望む最期をむかえることができるか考えました。具体的には、ご本人の思い、情報提供、退院までのタイムラインなど家族と共有しました。また伝え方は言葉だけでなく、目で見える形にしました。
結果、この方は家族の待つ自宅に帰ることとなり、退院後1週間でご逝去されました。ご家族からは「はじめは家に帰れるか不安だったけど、退院してよかった。寂しいけど悔いはありません」という言葉がありました。たった1週間でしたが、普段の生活を最期まで継続できたことは、家族にとっても、ケアマネジャーにとっても大切な思い出となりました。今後もご本人が最期まで豊かな生活が送れるように、常に寄り添い丁寧に関わっていきたいと思います。