HPH(Health Promoting Hospitals & Health Services)は、WHO(世界保健機構)が提唱する「ヘルスプロモーション(健康増進活動)」という健康戦略に賛同する医療機関・介護事業所および組合員組織(健康増進活動拠点病院および事業所)、そして各国のネットワーク組織も含みます。
HPHは、患者さまの健康だけでなく、職員や地域住民の皆さんに対しても保健活動を行います。三者の健康水準向上をめざし、住民や地域社会・企業・NPO・自治体とともに、健康なまちづくり、幸福・公平・公正な社会の実現に貢献することを目的としています。
HPHの国際ネットワークは1990 年に構築され、2015年にはJ-HPH(日本HPHネットワーク)が結成されました。J-HPHには、現在119事業所が加盟しています(2019年12月現在)。2011年に東京健生病院が、2012年に大泉生協病院が、そして2016年に東京保健生協がHPHに加盟しました。また世界全体では、45の国・地域ネットワーク、900以上の事業所が会員となっています。
毎年、HPHネットワークや日本HPHネットワーク主催のHPHカンファレンスが開催されています。東京保健生協は毎年参加して発表しています。
HPHとして、東京保健生協が行っている健康増進活動を具体的にご紹介します。
社会経済格差がもたらす健康格差に対しSDH(健康の社会的決定要因)の視点から実践する活動は、平和・社会保障・環境・地域活動のページをご覧ください。
患者さまへ質の高い包括的な医療と看護サービスの提供
患者さまに対する健康づくりの支援
大泉生協病院
大泉生協病院の外来診療では、禁煙外来、ダイエット外来、フットケア外来など、病気を防ぐための生活習慣指導に関する診療を行っています。
病棟では患者さまに質の高いサービスを提供するため、転倒・転落防止プロジェクトを実施、またナースステーションでは栄養サポートや摂食嚥下のチームを設け、糖尿病教室、認知症機能委員会を開催しています。
東京保健生協の事業所で働く職員の健康増進
地域住民に対する保健衛生活動
まちかど健康チェック
支部ごとに地域の場所をお借りして、血圧・体脂肪・握力・足指力・骨密度・血管年齢を測定しています。看護師などが参加している場合には健康相談も出来ます。
どなたでもお気軽にご参加ください。
すこしお
「すこしお」とは少しの塩ですこやかな生活を目指す医療福祉生協の取り組みの総称です。
健康を害する要因として喫煙の次に塩分摂取があげられています。塩分の摂りすぎは「高血圧症」になりやすく、血圧が高くなれば動脈硬化が進み、「脳卒中」「心臓病」を引き起こす可能性があります。
東京保健生協では健康診査の時に「尿中塩分」を測ったり、班会で塩分チェックをして食生活を振り返る機会にしています。また全ての協議会で管理栄養士や調理師の指導のもと「すこしお」メニューを作る料理交流会を開催しています。生協では1日あたり6gの塩分摂取が目標です。
認知症対応
根津診療所では認知症早期発見ツールとして10分間スクリーニング「高齢者総合評価」を実施しています。
班会ではパズルや音読などの脳トレ班や認知症予防の保健講座など行われています。
フレイル予防
東京保健生活協同組合では、2018年度よりフレイル予防に取り組んでいます。
更に、高齢者の役割づくりや人材の発掘、人と人とのつながりづくり、組合員班活動の活発化を目的にフレイル予防リーダー養成を行っています。
今後の高齢社会を支えるのは若い人たちだけでなく、元気な高齢者も支える側となり、地域社会での活躍が望まれるでしょう。
保健講座
支部ごとにテーマを決めて開催しています。
フレイル予防の講座は理学療法士の指導を楽しく受けられると好評です。他にも、歯科医師や歯科衛生士から指導を受けられる口腔衛生のお話しや、管理栄養士や調理師と一緒に「すこしお」や「高たんぱく」料理を作って食べる講座も人気です。
年間50か所ほどで行っておりますので、保健講座ページより開催予定表をご確認の上、振るってお申し込みください。ご不明な点はお気軽に、支部や本部事務局へお問い合わせください。
ヘルスチャレンジ
年に1度健康的な生活習慣を身に着けるために自分の目標を決め1か月~2か月間用紙に結果を書き込む形で取り組みます。
病院・診療所の窓口に用紙があります。どなたでもお気軽にご参加ください。
HPH健康いきいきフェスティバル
ヘルスプロモーションの実践を地域にお知らせするとともに、組合員や職員のHPH活動を交流する場としてHPH健康いきいきフェスティバルを開催しています。
区や他団体とも連携しながら、ポスター発表や健康チェックのコーナー、ワークショップなどわきあいあいと交流しています。